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はっけんの水曜日
 
忍者になって人にまぎれる

 

会場入りまでの待ち時間20分が永遠に感じられた。これまでも当サイトではピエロとか猫バスとかその他豪快なやつをいくつもやっている。それらに比べたら人目を忍ぶ忍者なんてへっちゃらだろうと思っていたのだ。

しかしここは帝国ホテル。撮影の工藤さんですらスーツなので壁がある。なんだか僕の周りだけ重力が2倍くらいに感じた。工藤さんには強がって「僕がつまみ出されたら知らんぷりして撮影しておいてくださいよ」とか言ってあるが、本当は割って入って事情を説明してもらいたいものだ。


手持ちぶさたなのでロビーのパソコンを。 デイリーに設定。

出番迫る

社長の挨拶が終わり、いよいよ僕の出番だ。いや違う、僕はただ会場に潜入するタイミングを計っていただけだ。ここまで待ったのは単に社長に姿を見られたくなかったから。忍法保身の術だ。

会場ではBGMが変り拍手が起きる。タレントさんが入ったのだ。機は熟した、このどさくさにまぎれていざ入場するでござる。

それにしても皆一様に気まずそうだ。  
僕の為ではない拍手を聞いて潜入を決意。 しかしなんなく成功。
それにしてもみんなきれいな格好している。 工藤さんもスーツなので浮かない。

会場は映画館よりも少し明るいくらいの照明なので、壇上以外はまったく目立たない感じだ。しかも僕が会場に入る頃にはすでにおおかたの目は壇上のタレントさんに釘付けとなっていた。このタイミングを選んだ僕は勝者といえる。

おかげでいとも簡単に潜入に成功してしまった。案ずるより産むが易しとはこのことだろう。これから人目につかないように会場内をうろちょろしたい。

でも僕だって浮いてはいない。  
こんなド前にいるのだけど誰も気にしない。 タレントさんからは見えているはず。

おもむろに会場を縦断して、かなりタレントさんの近くまで寄ってみたのだが誰も声をかけてこない。フォトセッションが始まり会場が明るくなる。しかもこの距離だ、さすがにこっち向いてるタレントさんには見えているはずではないか。

がしかし彼女もまったく動じない様子。目の前に忍者がいるのに、そのことについて誰も触れないのに、それでもまったく表情を崩さないのだ。すごい!僕なら「ちょっ、忍者いるんすけど」とか言ってしまうだろう。やっぱり器がちがうのだ(あとで事務所経由で「あれはなんのためだ」みたいな問い合わせを頂いたようだが)。

関係者席についていても自然。  

忍者、目立たないです

ということで、会場の目線をかっさらってしまったらどうしよう、とか心配していたのは杞憂に終わった。当初の思惑通り、忍者は薄暗い場所ではかなり人目につきにくい、ということが判明した。

かといってこれから多用するつもりは毛頭無い。できることならこの場にいても不自然でない大人に、僕はなりたいと思った。

成功としかいいようがない。  

 


おれのことなんて誰も見てねえ。


場合によっては忍者は目立たない

忍者は場合によっては場に紛れることができるということがわかった。場合によっては、というのは忍者以外に強力に目を引く誰かが(今回の場合はタレントさんが)いる場合などだろう。間違っても常に人目につかないなんて思わない方がいい。事実あの会場ですら小声で「にんじゃ?」「え」「なにあれ」という小声が若干聞こえた。それから事前の手続き等、下準備は忍術以上に役に立つから面倒でもちゃんとやった方がいいと思う。

ドアを間違えてタレントさんの控え室を開けてしまった瞬間。
もろに目があったが何も言わずに閉めた。近くにいた係員が
「おまえ今・・」って顔で見ていた。

今回の記者会見はNicottoTownという新サービスの発表会でした。おじゃまいたしました。

 

 
 
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