エライものが出来た

正確に言えば、今回は「食べ比べ」じゃない。６切れしかないので、全員が強制的にフランベしたサバ寿司をお見舞いされる、という寸法だ。

でも「焼きサバ寿司」という既に確立された食べ物だってあることだし、焼いて悪いということもあるまい。

今回用意した酒はジンだが、たぶん大丈夫だろう。うん。まあ安心してくれたまへ。

もう炎は恐くない。それどころか楽しい。すっかりウキウキした気持ちでジンを振りかける。

これだけではフランベされないので、ここで再び玉置さんの登場となる。魚のことは魚の人に任せよう。

玉置さんは例のガスバーナーを手にして、サバの表面をゴーッと炙ってくれた。

以上の工程を経て完成したのがフランベサバ寿司だ。

ジンで燃やされたという点を除けば、どこからどう見ても立派な焼きサバ寿司じゃないか。

結論から言ってしまおう。

いや、それよりも食べた直後の写真を見ていただこう。その方が話は早い。

とんでもなくまずい物を作ってしまったようだ。焼かれたサバの表面はまだ許せるとしても、とにかく酢飯がどうしようもない。

第一、箸で持とうにもジンを吸っているためぐずぐずと崩れるのだ。ジンと酢飯という最悪のコラボレーション。しかもどちらも温かいときた。うわあ。

工藤さんには「今までデイリーの企画で食べたものの中で一番マズイ」と10回くらい言わた。「もう分かりましたから！」と逆ギレしたくらい、言われ続けた。

今にして思えば、和の食べ物に洋酒をぶっかけるという行為自体がどうかしている。仮にかけるとしても、その場合は日本酒が正しい選択だろう。

えー、皆さん、えらくマズイものを食べさせてしまい申し訳ありませんでした。反省しております。

デザートで挽回だ

ラストは甘いもので締めよう。

総じて果物は熱して食べてもおいしいものだが、今回は用意したバナナをさらにフランベしようってんだから、これはどう転んでもマズイはずがない。

しかも用意した酒はオレンジリキュールだ。もう出来レースと言われてもいい。最後はおいしいものを食べて、笑顔で締めたいじゃないか。チャレンジするのはもうやめようよ。みんないい大人なんだから。

もう、そこいらじゅういい匂いだ。これは完全においしさが約束された匂いだ。

例のバーカウンターに戻って皿にシールを貼り、再びガッテンごっこの始まりである。

古賀さんが「マシュマロのほかにガムシロまで入れたのに、そんなに甘くない！」と言っていたが、確かに思ったよりも甘くない。そしておいしい。

鍋に残ったソースを、壺で焼いたナンを利用してキレイに食べ尽くそうとしていたのは大山さんである。

今回の評決も全員意見が一致した。
正解！大正解です！

ああ、楽しかった。