投げる方と打つ方と、交互にデモンストレーションを繰り返すうち、ついに立ち止まるお客が現れた。
ここぞとばかりに何回も球を投げてみせる。 さあこい。
多分嫁さんのせいだろう。 ジップヒットに興味を抱いていた紳士は、嫁さんに手を引かれて行ってしまった。
あの紳士が1人だったら絶対にこっちに来ていたはずだ。 惜しい所であった。 再び座って客を待つ。
時刻は夕方17時過ぎ、そろそろ日が落ちてしまう。 さらに雨がパラパラと落ちてきた。天気予報では雨が降るなんて言ってなかった。天気までもがバッティング屋の邪魔をする。
結局、収穫はナシであった。 早く帰ろう。
段ボールを頭から被って雨を避けながら、野球人気の凋落を憂いた。これがON全盛の時代だったら、きっとバッティング屋は大繁盛だった事だろう。
とても残念だ。
というわけで、バッティング屋で一山当てる夢は夕立ちと共に流れてしまったようだッ。連載の曜日が変わった記念すべき1回目だというのにこの体たらくッ。この先、大丈夫だろうか? 不安だッ。まあ、ずっと箱も開けずに置いといたバッティングマシーンでひとネタ出来たので良しとしよッ。
いちいち語尾に小さい「ツ」を入れたのは、林さんから「のりぴー語みたいなものを生み出してくださいよ」と言われたからだッ。なので、マイケルジャクソンを意識した語尾にしてみたッ。
週刊すみましーん Vol.1 おわり