鶏頭は朱肉だった
鶏頭の花をそのまま使ったら、みごとに鮮明な印を押すことができた。なんでも朱肉になるわけではないことを思い知らされていた身にとって、これはものすごい驚きだった。
繊維質でできた、しっかりとした肉の部分があったからこそ、適度な着色が叶ったにちがいない。それってまさに朱肉じゃないか。
いろんなものをすりつぶしてもダメだったのに、ただ咲いているままの花を使ったらあっさりハンコが押せた。これはまるで例えて言うなら、ほら、その、まあなんだ、例えが思いつかないけど、とにかくそういうことだったのだ。
鶏頭は朱肉だったんだ。わーい! |