さらにディフェンスが加わる
写真中、白チームの一人がゴール前で毬杖を振り回して相手チームを阻止しているのがわかるだろうか。各チーム、一つずつ玉が入った後はディフェンスしてもいいのだが、ディフェンスしている限り自分で玉を拾って投げるわけにいかないので得点にもならない。
それでも玉を持った両チームがゴール前で執拗にディフェンスしあうので、中盤以降、玉の入りがめっきり減った。
ディフェンスされると投げた玉もねらい通りいかない。玉はゴールに入らず脇の壁に当たっては「こっ」という少し間抜けな音を立てて柵内へ落ちる。
するとまたスタート地点までもどって玉を拾いに行かなくてはならないのだ。馬もため息だ。
勝負あり
ヒダ玉を11個沈め、先にアゲ玉を得た白チームが一斉に攻めてくる。1騎がディフェンスにまわり、残り3騎が同時にゴールに向かう。一斉に来られてはどの馬がアゲ玉を持っているのか相手チームからはわからないという巧妙なタクティクスだ。
白の作戦勝ちに終わった。
この攻撃で見事にアゲ玉を沈めた白チームが勝利した。
負けた紅組は馬を下り、勝った白組は騎乗したまま退場していく。会場は戦いを終えた両チームに惜しみない拍手を送っていた。
明暗はっきり。
古式打毬、超おもしろい
古式打毬は初めて見る人にもわかりやすく、戦略やチームプレイも単純なので今見てもとても面白かった。こういう伝統芸能はもっと表に出てしかるべきだと思う。興味を持って自分でもやってみようと思う人が増えることが、貴重な文化を伝承していく術となっていくに違いないのだから。
これはこれで新しい競技としてありなんじゃないか。