アイツの前に人は平等
やはりここも根っこがすごくよい。でも、下から見上げた写真も、すごくよい。快晴の冬の日に打ちあがった花火のようにまっすぐ伸びた幹からぱっと開く葉っぱが見えるだろう。
ところでこの木を探して神社をウロウロしていたら、管理人のおじいちゃんに何をしているか? と問われた。この神社にあるプラタナスを探していると言ったら、『プラ……なんだそれ?』と返された。
――木の名前なんです。プラタナス。この辺にある有名な木のようですが。
おじいちゃん「ああ、地元の人間はこんなの見飽きているからねぇ」
と、言っておじいちゃんは、話し相手ができたのが嬉しそうに気を眺めていた。巨木・保存樹木を好きでよかったと思えるのは、おじいちゃんおばあちゃんと会話できるという点だ。
樹齢数百年の木の前では、70歳過ぎのおじいちゃんも、27歳の僕も似たようなものである。 |