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フェティッシュの火曜日
 
巨木銀座? 府中を行く

06 妙光院のイチョウ


みょうこういんのいちょう
府中市本町1-16-13 (府中駅徒歩15分ほど)
樹高25.0m 樹周3.9m
イチョウ属 イチョウ科

元気度:★★★★☆


巨木ならではの「乳根」もある

 

同じ場所にあったボダイジュは枯れてしまいました。。写真は切り株。

アイツの特徴、それは乳根

逆さにした竹箒のようにきめ細かく上向きの枝先がまぶしい。まだまだ伸びてやる、という勢いを感じる。

葉っぱこそないが、まっすぐ上を向いて伸びている姿はとても力強い。

ところでここで少し豆知識。

乳根(にゅうこん)という名前をご存じだろうか。巨木に使われる用語である。左写真、枝や幹の一部から鍾乳洞(しょうにゅうどう)のように木の一部がぶらさがっているのが見えるだろうか。この鍾乳洞の部分を乳根と呼ぶらしいです。これは樹齢の古い巨木、大木に見られる現象です。

一方、同じ敷地内にあったボダイジュは

一方、同じ敷地の中にあったはずのボダイジュは枯れていた。残念だ。関係者に話を聞いたところ、以前から調子がよくなかったそうだが、先日の風の強い日に倒れてしまったそうです。切り株だけを撮影してきました。


07 安養寺のモミノキ


あんようじのもみのき
府中市本町1-17-10 (府中駅徒歩15分以上)
樹高18.0m 樹周2.9m
マツ科モミ属
常緑針葉樹

元気度:★★★☆☆


真下から

 

ごつごつした木肌

アイツの特徴、それは乳根

針葉樹の特徴で、木の肌が荒っぽい。子どものころに感じた大人の肌みたいに、ごつごつしている。

 

夕焼け、お寺、巨木

ここはお寺の敷地の中だが、僕の地元にあった神社にそっくりの雰囲気だった。おりしも取材時は夕暮れ時。大きな木と、お寺と夕焼けという組み合わせは、僕を地元のあのときにタイムマシンのように戻してくれる。巨木は日本の原風景なのだ。

 

08 大國魂神社のケヤキ

おおくにたまじんじゃのけやき
府中市宮町3-1 (府中駅徒歩8分ほど)
樹高29.0m 樹周7.2m
ニレ科ケヤキ属
落葉高木

元気度:★★★★★


ごつごつした木肌

神社の奥にひっそりとそびえるアイツ

こうして府中市の中心部をぐるぐる回ってみると気がつくこと。それは巨木が多いということでもあるが、神社やお寺が多いということに気がつく。やはり神社は古くからの緑地なので、伐採されずに生き残った巨木が多いのかもしれない。

そんな、さまざまな木が生い茂る中、ひときわ大きな巨木がこのケヤキである。ですが、神社の奥のほうにあるからか、ひっそりしていてあまり目立っていない。でも、本当はすごくポテンシャルを持っている。人間にもこういう人っているよなーと思う。特に目立つことはないのに勉強もできるし運動もできるような子。中学校のクラスに居たら2学期からモテだすタイプだろうか。

 

09 大國魂神社のケヤキ(鳥居前)

おおくにたまじんじゃのけやき(とりいまえ)
府中市宮町3-1 (府中駅徒歩7分ほど)
樹高7.0m 樹周6.8m
ニレ科ケヤキ属
落葉高木

元気度:★★★☆☆


日が暮れてきた。駅前の大通りのネオンに照らされる巨木

府中市の玄関口にあるアイツ

神社の入り口に、歩道を遮るような形で「でーん」と現れる巨木。府中駅を南北につらぬくケヤキ並木の終点に、この神社があり、観光客から見ると、並木の最後にいわばダメ押しの恰好でケヤキがあるように見える。つまり、府中市の玄関口にある巨木だといっても差支えないだろう。

樹周(幹の太さ)6.8mと、かなり巨木だが、樹高(幹の高さ)はそれに比べて7.0mの小ぶりである。つまり、太っちょな木だ。

ここまでかなり若々しい巨木を見てきたが、こちらの巨木は高齢なのかかなり弱っているようでもあり、生き続けてほしいと願う神社の人々によって清められているようだ。

しかし、夜になってネオンに照らされる巨木は、ベテラン俳優のように、古さの中に色気を感じる気がした。


と、日が暮れてきたのでここで見物はいったん終了。まだまだ見きれないものがあったけど、それはまた個人的に遊びにきてみようかと思う。

次ページ、ついに府中市の巨木の謎が解決されます。


 

 
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