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ひらめきの月曜日
 
逆転の発想からのフライ

どうなっておりますでしょうか

なにやら必要以上に黒々としていることも手伝い、さすがに今回ばかりはコロッケの時のように心が浮き立たない。

肉がまだ赤かったらショックだなーとの思いから、やけにじっくり火を通してしまったが、それが結果にどう響くのだろう。

トンカツっぽさを出すために、いやトンカツとして正当に扱うために、揚がったものを包丁で切って皿に並べてみた。


「棒餃子」なる食べ物を連想したのは私だけですか。

ご丁寧にキャベツまで盛った。「こういうトンカツです」と言って供されたら、「そうなんですか」と答えて、おとなしく食べるしかないような、そんな風貌である。

では、さっそく断面を見てみよう。


あ、ちゃんと火が通ってる!
そして見た目が一気にトンカツっぽく!

すっかり気が大きくなった。これはどこからどう見ても立派なトンカツじゃないか。それ以外のなんだって言うんだ!

味だってきっと…と、ひと切れ噛んだところ、本物との違いがぬぅーっと顔を出した。


衣がズルッと滑るのです。

早い話が、肉と衣が一体化していない。コロッケの時はそれで問題なかったが、肉のようにツルツルとした食材の場合、卵と小麦粉はいい接着剤として重要な役割を果たしていたのだ。

ちなみに味の点で評価するなら、どこからどう味わってもトンカツそのものでした。

 

ということは、次もダメか

諦めきれずに、さらにツルツルとした食材でもフライを作ってみた。


さあ、なんのフライか分かるかな? ヒントは右上に置かれたタルタルソースだよ。

ひとくち食べても、まだ具が出てこないね。

ふたくち目、具が一気にツルンと口の中に入ったよ。

うーん。こりゃあツルンといくよね。

具が歯に引っ掛かったと思ったら、噛みちぎる間もなくベロンと飛び出してきた。「脱出!」と言いたくなるような早業であった。

タルタルソースや残されたパン型を見て、カンのいい人なら正解がお分かりだろう。


正解は「カキフライ」でした。

諦めます

改めて正式な方法で作ったカキフライを食べて、「なんて衣が薄いのかしら!」と感動してしまった。「衣が厚ぼったくないからいくらでも食べられるし、洗練されてておいしいわ〜!」とも。

そうなのだ。パンを衣に代用するのは簡単手軽、しかも腹が膨れていいのだが、全体的に野暮ったくて重すぎるのだ。

中の具に卵を絡めてからパンに挟めば少しは剥がれにくくなるだろうが、それをするくらいなら今まで通り、おとなしく小麦粉、卵、パン粉を使ってフライを作りたいと思う。

どうやら、この3つからは永遠に逃げられそうにありません。

これからは敬意を込めて「黄金のトライアングル」と呼ばせていただきます。

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