善治の身を案じたり牛たん弁当を食べたりしているうちに、新幹線は埼玉に入った。弁当を食べ終えて様子をみにいくと、びっしょり汗をかいている。よほど緊張感をみなぎらせているのだろう。
窓の外からみえる景色はまだ秋のそれで、とても岩手と同じ日本とはおもえない。「リゾートか!」と、窓の外に向かってよくわからないツッコミをしていた。
そして新幹線は上野に着いた。かつて東北への玄関と呼ばれた駅の雰囲気にどこかほっとするも、ここで気を緩めてはいけない。なにしろこれから銀座へいくのだ。銀座といえば大都会。大きなジャスコがあるにちがいない。
銀座ららら〜
銀座にジャスコはなかったが、もう街全体がジャスコよりにぎやかだった。
いわて銀河プラザは地下鉄東銀座駅の近く、道路をはさんで歌舞伎座の向いといった場所にある。
東銀座駅の出口のあたりでキョロキョロしていると、待ち合わせをしていた編集部の安藤さんをみつけた。撮影を手伝っていただけるとのことで、お願いしたのだ。心強い。 |