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はっけんの水曜日
 
都市対抗、メガネを無くして無事でいられる可能性

おしゃれの街は裸眼に優しいのか

最後は若者の街、渋谷だ。

渋谷。

東京に少し慣れてきたら行ってみたくなる場所、それが渋谷。しかしいざ行ってみるとおしゃれ過ぎて気後れしてしまう場所でもある。

ホームとの隙間が広くて恐い。  

はじめて渋谷で降りた日、僕はびびりながらスクランブル交差点を斜めに渡って、タワーレコードで邦楽のCDを視聴して帰ってきたのを覚えている。街ゆく人は全員芸能人に見えた。

そんな街に、僕はいま裸眼で立っている。

この街で一人(しかも裸眼で)。  

メガネを外すと人波が文字通り一つの波のようにうねりながら押し寄せては引いていく。しかしよろよろと歩いていても誰もぶつかってこないのがすごい。

さすが渋谷、歩行すら洗練されているのだ。

そう思っていたのだが、今写真を見たらこの目つきだ。もしかしたら怖がられていただけかもしれない。

東京にもずいぶん慣れました。  

メガネ屋さん、ないです。 人、ひと、ヒト。

メガネ屋さんがない

渋谷の街は歩いていてもいっこうにメガネ屋さんが見つからなかった。道行く人がかけているあのおしゃれなメガネはどこで買ったのか。原宿か。

「あの看板はもしかして!」と思い走り寄るとパーキングだったりする。とにかく一目で大量の看板から発せられた情報が飛び込んでくるのだが、すべてがよく見えないのでメガネ屋さんを抽出しきれないのだ。僕の嗅覚を鈍らせる街、渋谷。

こうやって見ると確かに近寄り難いですね。  

お、このテイストはメガネ屋にちがいない! と思ったらパーキングでがっかり。

いろんな坂を一通り上り下りし、途方に暮れてまたJRの駅へと帰ってきた。言い忘れたが僕は未だ移動はJRしか信じていない(山手線みたいにぐるぐる回っている私鉄があったら信じるかもしれないが)。

すると駅前にはさっきまでいなかった黄色や青の服を着たチラシ配りの人たちがいるではないか。あれはもしや・・

「コンタクトをお探しですか!」

悪い目つきで近づくといきなりジャストミートな声かけをしてきた。まさにその通りなのだが、弱みを見せないよう努めてクールにチラシだけを頂いた。一歩離れて3センチくらいの距離からチラシを凝視して書かれているメガネ屋さんを探す。

あんた、探したわよ!  
ほんといい物に見えます。 よく見るとあちこちに。

あった。

配られているチラシを手当たり次第もらってみると、渋谷には他にも何軒かのメガネ屋さんがあるようだった。一見初心者には冷たく写るが、ある程度慣れてくるといろいろいいところが見えてくる街、渋谷。いまや僕はもうこちら側へ来たのではないか。

メガネ屋さんありました。  

 

おしゃれの街は意外と優しい

 

渋谷駅でメガネを無くした場合、無事でいられる可能性

70%

 

上野以上新宿以下、という結果だ。目が慣れる前に心が折れそうになったら迷わず新宿まで行くべきだと思う、近いから。

メガネを無くしたら新宿へ

メガネを無くした時の恐ろしさを表現したかったはずなのだが、なぜか僕の東京に対するコンプレックスだけが浮き彫りにされたような気がする。しかしこれでどこでメガネを無くしても大丈夫、という自信がついた。山手線に乗って新宿まで行かれればだいたい助かることがわかったのだ。いざというときのために、みなさんも覚えておいてください。

久しぶりにメガネをかけたらすっごいよく見えました。

 

 
 
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