●景勝地と亀
岩手県北の久慈市にある、なかなか威圧感のあるトンネル。
断崖を突き抜いて造られていて、そこへつづく橋の下には川が流れている。ここを通るたびにすごい眺めだとおもっていたのだが、やはり実際に景勝地で、橋の手前に看板が立っていた。そこに書かれた「不老泉」の文字。亀といえば長寿の象徴。寄ってみないわけにいかない。
荒々しい岩肌とよくなじむ亀
旅を満喫する亀
ひと休みする亀
亀、すっかり観光気分である。 そしてこのあたりから、デジカメの中に、亀である必然性のない写真がどんどん増えていった。
●季刊・亀アルバム 〜春〜
バスを待つ亀
やっぱり迎えを呼ぼうと思ったけど 電話ボックスに入れない亀
橋の上になんかいる
もしかして亀じゃない
あ、やっぱり人か
いや亀だ亀!
カメラマンの戻りをおとなしく待っていた亀
男の海
ウミガメ!?
強風にあおられるウミガメ
たまらず走って戻ってきたウミガメ
タライを背負って亀になり撮影しているぼくを、どこからか子供がみていたとしたら、いったいなんだと思うだろうか。ひょっとしたら、妖怪だと考えるんじゃないだろうか。案外、妖怪の正体とはそんなものという気がする。 でも、「いい子にしてないと妖怪がくるよ!」と言われるより、「タライ背負って自分を亀だと思い込んでる隣のおじさんがくるよ!」と真相を言われたほうが、だいぶ怖い。
もうひとつの遠野物語 (遠野じゃないけど)