合戦が始まった

鉢形城の下の川原、名勝玉淀にて合戦が繰り広げられている。大砲がバンバン鳴って、士気を鼓舞する叫声が上がる。川原は観客で埋め尽くされ、少しでもいい視界を、と大きなカメラを持ったおじいちゃんたちがパパラッチ化し高速で動く。大筒の煙と砂埃が舞い、視界がかすむ。

全くの異世界、本当にタイムスリップした心地になる。

ああ、戦国自衛隊…と思ったのだがよく考えれば私が読んだのは志茂田景樹先生の『戦国の長嶋巨人軍』（実在する！）だったからちょっとちがった。

ほんとは全然見えませんでした

なだらかな川原に合戦と観客。すべて平面で行なわれるので視界が悪い。人の少ない端に陣取ったのもいけなかった。今までの描写は手を伸ばしてかろうじて撮ったビデオから起こしたものでした。

立ったらどうか、というご批判もあるだろうけど、だって怖いんだもの、おじいちゃんたち。あちこちで「前に立つなよ！」「こっちはずっと前から並んでんだよ！」とおじいちゃんの声が聞こえてくる。ああ、やはり本物は違うな。

でも合戦はよく見えなかったけど、本当の合戦もそういうものじゃないだろうか。今日は何があっても全肯定できます。

ありがとう北条氏

豊臣の支配下では税率６０％、対して北条氏の領地は４０％で民衆に厚い政治を行い、鉢形城の攻防戦では多くの民が北条氏に集ったという。

豊臣連合軍５万対北条軍３５００。１ヶ月に及ぶ攻防戦の後、北条側の降伏によって決着がついた。

先祖供養から始まり、民衆の祭りとして合戦がまた始まった。今年こそは北条氏が勝つのではないだろうか？「14:40氏邦公降伏」と書かれた進行台本片手に、でももしかしたら、と北条氏を負けさせたくない思いが合戦を今にまで続かせているのではないだろうか。

おじいちゃん化が行き過ぎておばけを書いたものみたいになってしまった。

残った人たちでデモンストレーション

どうやらこの祭りは有志で参加できるようで、武士好きの人が集まってデモンストレーションをやっているようだ。（検索してみたら「野試合」というものか→野試合のサイト）

見ていると槍などで突いて、当たったらちゃんと倒れて…サバイバルゲームの武者版といったものだろうか、そりゃ居残ってでもやりたいくらい楽しいだろう。

やっとすぐそばで合戦が見れた！この異世界のライブ感といったら！おかげさまで他のおじいちゃんカメラマンに混じって写真やらビデオを撮りまくらせて頂いた。そして拝みまくらせて頂いた。