2日目

2日目は、好きなものを持って寝ることにした。

と言っても、いい年齢なので
「好きなもの」
と言ってもちょっと考えてしまう。

考えた末に用意したのは以下の物たちである。

たくさん用意したがもちろん全部抱えて寝るわけにはいかない。

とりあえず枕元に並べ、寝ながらひとつひとつ感触をたしかめ、特に気に入ったものを持って寝ようと思う。
デジカメは計３台。上の写真では２台しか写ってないが、それを撮ってるのがもう１台ある。

では、一点ずつ見ていこう。

まずはこれ。取材にもよく持って行っていたカメラ。
寝ながら持ってみて、前日持ったマウスとぜんぜん違うことに驚いた。マウスの時に感じた不快感がまったくない。

ゴムが巻かれていて指にフィットするグリップ部。
堅牢さを感じさせるマグネシウムボディの質感。
目をつむって手の感触だけで感じ取るせいか、しみじみと細かい部分の良さが伝わってくる。

また、このカメラを持ってあちこち出かけた思い出なども甦ってきた。いろいろな面でマウスとは違う。これは寝る前の効果として精神的にとてもいい影響を与えてくれそうな感じだ。

ということがわかったところで、次。

このカメラは先ほどのとよく似ている。が、こちらの方が若干厚みがあってより手にフィットする。そういう細かい感触の違いなどを寝ながら確かめた。

３つ目のデジカメは超高速撮影ができるという特殊技能を持ったカメラ。先日のエクストリームソーメニングの記事では決定的瞬間を捉えるのに大変重宝した。

手に持っていると「今度はこれで何を撮ろう？」という気持ちが起きてくる。布団の中でアイデアを練るなら手にそのものを持つのがいい、ということに気付いた。

次に手にしたのはプラレール。
プラレールは最初子供のために買ったのだが、私の方がその魅力に気付いてしまった。（そういうお父さん、多いらしい。）

プラレールを手にしたら旅の思い出が甦ったりするかなと思ったが、そんなことはなく
「振るとジョイント部分が動いてカチャカチャ音が鳴るなー」
とか、主にそういうどうでもいいことを確かめるのに終始した。

布団の中で触ると、今まで気付かなかった点に気付くようになる。

持つのに適しているとか関係なく「好きなもの」ということで、
ビールも選んでみた。がしかし、これは全然ダメだった。

ビールはよく冷えており、飲んだら美味しそうだが持っていると指がだんだん冷えてくる。ビールは持って寝るもんじゃない。

続いては電動ハブラシ。
個人的に今、電動ハブラシが熱い！
（個人的過ぎてすみません）

けっこういい値段したのだが（１万５千ほど）、
歯磨きのたびに近未来感を味わえて、大変満足している。
握る部分には滑り止めのゴムが貼ってあり、グリップ感も上々。

だんだん何の記事だっけか？
という感じになってきたので見失わないように続けると、電動ハブラシもカメラに負けず、いやカメラ以上に持ち心地がよかった。さすがは棒状。

危うく、寝ながら歯を磨きそうになった。

最後はこれまたお気に入りのかっこいい積み木だ。
積み木は組み合わせると複雑だが、ひとつひとつのパーツはこれまで持った物と比べて格段にシンプル。そして木でできてるところが温かみがあってなんとも感じがいい。

結局、積み木を持って寝ることにした。

と言っても、布団に横になりながらいくつものアイテムを試していたので、この時点で既に意識が朦朧とするほど眠い。

案の定、一瞬で眠りに落ちたようで、
気が付いたら…

またしても熟睡。
夢は見たような記憶は薄っすらあるものの、どんな内容かまでは思い出せない。

両手は完全にフリーになっていて、積み木は布団の上に無造作に転がっていた。