今年もまた、ほたるが飛ぶ季節がやってきた。
たまにはこんな風流な書き出しもいいのではないか。今回はゆったりと光りながら舞うほたるの様子をお伝えします。
と思っていたのですが、そこまでの道のりがあまりにも長く険しかったのでそのへんも含めて紹介させてください。すごい叱られたりもしましたし。
(安藤 昌教)
横浜の本気
今回ほたるを探しに行ったのは横浜市にある自然観察の森という場所。写真でもわかるように、かなり本気の山だ。横浜市というと赤レンガ倉庫とかベイブリッジとかを思い浮かべる人が多いかと思うが、実はこういう横浜もあるのだ。
山深いだけあってフクロウとかカワセミとか、都会では見られない生き物がたくさん生息している。きれいな水にしか住むことのできないほたるもここにはいるのだ。
この週末はちょうどほたるの時期と重なるらしく、夜にほたる観察のイベントが開催されるとのことだった。
夜のイベントはもちろん参加するつもりだが、その前に下見もかねて昼間のほたるスポットを見に行くことにした。
昼間でよかったです
森にはところどころに行き先を示した看板が立てられているのだが、それに沿って歩いていても不安になる。道はある、ただ、進むにつれ「本当か!」ってくらい細くなっていくのだ。ここならまだ引き返せるよね、ってずっと後ろを確認しながら分け入っていった。
森の中からは聞いたことのない鳴き声がたくさん聞こえてくる。たまに後ろ上の方で「ガサッ!」ってでかい音がしておしっこもらしそうになる。
30分ほど山を彷徨い、ちょうどやる気のすべてを森の栄養として吸い尽くされた頃、目の前が開けるとほたるが飛ぶという谷にたどり着いた。
以前管理事務所に問い合わせたときに「夜は道がわからなくなるので昼のうちに下見をした方がいいですよ」と言われていた。今ならその意味もよくわかる。昼でこれだ、夜初めて来たらおかしくなっちゃうだろう。