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土曜ワイド工場
 
渡り鳥の気分になってみる
越冬期間1日

渡り鳥だから当然用が済むと元の地に戻ってくる。 なので自分も多摩川で巣を作った翌日、飛行機で札幌に戻ると、 家に帰らずそのまま河原に直行しよう。

と思ったけど雪深いから家で靴を履き替えてから向かった。 ここら辺、渡り鳥と人間との間で揺れる葛藤がある。

渡って即戻ってでせわしない渡り鳥

やっぱり家(河原)が一番だわ

仲間がいない

渡り鳥としての使命を終えて、戻ってきたら思いのほかうれしさというか安堵感みたいなものがあった。 多摩川でしたことがあんなことなのでもっとこう自責の念みたいなものがあるかと思ったら、単純に戻って来れて安心してる自分がいる。またこの川を見れてうれしい。

しかし気がかりなのは、渡りの旅に出るとき見送ってくれた(はずの)カモたちがまったく見当たらないことだ。

ただいまを言う相手がいない

寂しさのあまり他人を撮ったらビッグフットぽくなった


悲しみのごはんですよ


感動の再会

せっかく命(と言えるほどの交通費)をかけて旅から戻ってきたのに、故郷のカモはまったくいない。 カモ相手にこの喪失感はいったいなんだろう。

寂しくなにもいない河原にたたずみながらごはんですよをつまみ食いする。 やはり多摩川に比べて凍死しそうなぐらい寒いから、みんな一日違いで南に渡っていってしまったのだろうか。 そんなひどい。

「所詮自分は渡り鳥じゃないし、カモの仲間でもない」という現実に気づき、徐々に渡り鳥気分が抜けて人間小柳に戻っていく。

そして「渡り鳥気分は辛いな」と結論づけようとしたとき、カモがやってきた。

水面の波紋がいま着水した証

次々やってくるカモ

おまえたち・・・。

「コヤナギーコヤナギーコヤナギー」

カモが続々と集まってきた。 写真を見ればわかる通りたまたまやってきたのではなく、 どう考えても自分を祝福するためにやってきた。誰かがここで餌付けしてて その餌目的のために来たとは絶対に思えない。

渡り鳥気分になるためにここまで僕のしたことは、正直言って自分でも疑問だった。 札幌の河原でごはんですよを食べて多摩川でゴミを作ってそれで渡り鳥気分か、と。 でもこの仲間たちの祝福を体験したいまだからこそ言える。

渡り鳥になるのはとても素晴らしい。

最終的にこれだけ集まった



野生のカモは餌付けしないでください

どう考えてもカモがやってきたのは誰かがここで餌付けしてるためなので、 野生のカモや鳥には餌付けしないでください。

エサをくれないとわかるとどんどん離れていった。

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