感動の再会
せっかく命(と言えるほどの交通費)をかけて旅から戻ってきたのに、故郷のカモはまったくいない。 カモ相手にこの喪失感はいったいなんだろう。
寂しくなにもいない河原にたたずみながらごはんですよをつまみ食いする。 やはり多摩川に比べて凍死しそうなぐらい寒いから、みんな一日違いで南に渡っていってしまったのだろうか。 そんなひどい。
「所詮自分は渡り鳥じゃないし、カモの仲間でもない」という現実に気づき、徐々に渡り鳥気分が抜けて人間小柳に戻っていく。
そして「渡り鳥気分は辛いな」と結論づけようとしたとき、カモがやってきた。 |