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ちしきの金曜日
 
書けないマジックを許さない

600円もしました。何でも落とせる万能タイプ。

落書き落としを吹きかける

最初にふた開け放置したマジック。
こいつはほとんど書かれていないので、インクの成分の黒いものが、中で固まっている状態に違いない。だとすれば、それを溶かしてやれば、また使えるようになるのではないか? ではどうやれば中で固まったインクを溶かすことができるのか?
答えはこれだ。

ホームセンターで落書き落としスプレーを買ってきた。

まずはペン先のインクを溶かす。

まずはペン先に吹き付けて、ペン先に固まったインクを溶かし出す。それに続いて内部。
ペン先をつまんで引っこ抜き、内部に落書き落とし液を直接注入する。そしてふたをして数十分待つ。

さあ、結果はどうなったのか?

続いてスプレー液を内部に。昆虫の交尾みたいだ。
あふれた液でティッシュが大変なことに。

結果5


水墨画みたいになった。


やはり、落書き落としスプレーでの更生は難しいようだった。
うすうすそんな気はしていたので、ある意味では期待通りの結果だったが、その期待のさらに上を行くダメっぷりに驚いた。戦後の闇市でもこんなに品質の悪いペンは売っていなかったのではないか、というほどの質の悪さだ。

やはり、書けないマジックは復活を期待するものではなく、静かに弔うもののようである。

結論

残念ながら、一度死んだマジックは、そう簡単に更生させることはできなかった。けれど、この実験を通して、少なくともマジックたちを許せるようになった。
これで僕も余生を心穏やかに過ごすことができそうだ。
ところで、そもそものイライラの原因は、「書けないマジックを書けないと分かりつつも捨てない人」なのではないかと思うのだが、どうだろう。僕は先日、とある会議で書けないマジックを捨てずに、おもむろにもとの場所に戻しているシーンを目撃してしまった。

ショックだった。

マジックたちのためにもいつか、あの瞬間に、「ちょっとなんでそれを捨てないんですか!」と発言できる勇敢な人になりたいと思う。

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