デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
サボテンクエスト

ソテーはどうだ

ウチワサボテンと一口に言ってみても色んな種類があるのか。トゲの形状も違うわけだし。ああ…。
やはりこれは食用にはむかないのか…と少し落ち込んだ。
でも、きっとこれならうまくいく!…ような気がしたのは「サボテンソテー」。メキシコで食べたものだ。


バター、にんにく、醤油のソテー。万物がおいしくならなきゃおかしい調理法

ジュワーと香ばしい匂いが食欲をそそる。焼き色がついてとても美味しそうに焼けた。

絶対うまいでしょ

すっぱい…

この酸味はどうしたらいいの。何したら和らぐの。

酸っぱいものは嫌いじゃないけど匂いと味がマッチしていない。調理法を変えてもどこまでも追ってくる酸っぱさには降参を認めるしかなかった。


目に見えないトゲ(酸味)が舌に刺さる

 

細切りにして1分くらい茹でる

すっぱさを生かしてみる

さっぱりとした料理なら合うのではないか。次は和風食材として納豆と合わせてみよう。

「納豆にポン酢」は美味しい、という事実をヒントにする。納豆に酸味はアリなのだ。そして茹でたサボテンはメカブそっくりになった。
ねばねば同士、お互いの長所を引き出してくれ、頼む。


見た目はかなりいいんじゃないの?期待大

入れすぎた(すっぱい)

鰹節と納豆のタレでいただく。うーん…やっぱり酸っぱさが勝ってしまっている。ポン酢のような役割にするなら、量を少なくしないとダメなようだ。

でも、これは結構いけると思う(天ぷらやソテーと比べれば)。石垣島で食べた太いもずくがこんな感じだった気がする。国内でも食文化が少しだけ違う土地へ行ったときに、地元の食堂で出されるちょっと馴染みのない味…くらいのカルチャーショックを想像してください(この場合のカルチャーショックというのは酸っぱさの事に他なりません)。

 

他の食材に頼ってみる

今までどくだみやクレソンなどを採って食べてきたが、なるべく単独で食べる調理法を心がけていた。どの食材とマッチするかという興味もあるけれど、ターゲットの味がわからなくなってしまう事のほうを恐れていたからだ。
そして今日、味がわからなくなったほうがよいと断言できる食材を、頑張って食べている。あんなに苦労してトゲ抜いたのに。

ここは潔く妥協しよう。このメニューでどうだ。


サボテンチャンプルー

肉と卵がおいしい

ゴーヤはすごい。ゴーヤは偉大だ。
苦さが酸っぱさに置きかえられてもそれは通用しないという事がよくわかった。
今のわたしに、何も言わないで下さい。

最後に、サラダ感覚で食べてみることにします。


生で鰹節&醤油
マヨネーズに合わない生野菜はない

大量に食べるものではない

やっぱり、酸っぱい。こればかりで本当にすいません。今、キーボードで「す」と入力すると「酸っぱい」が自動で出てきてしまうパソコンになっている。

いくら調味料に頼っても、カタバミの茎そっくりなのだ。道端に生えているカタバミを吸いながら下校していた小学生の頃がフラッシュバックした。

レモン、大葉、香菜・・・これはそんな食材だと気が付いた。そうめんなどにみじん切りをちょっと入れたり、紅茶に浮かべたり。メキシコ産のサボテンのようにむしゃむしゃ食べることはできないけど、少量でさわやかな酸味を加える事ができると考えればそれはそれで貴重だと思う。

もし次にこのウチワサボテンを食べる機会があれば、魅力を最大限に引き出してみたい(いつでも貰って来れるだろという意見は置いておいて)。


酸味に完敗。しっぱいを認めます。(すっぱいだけに)

食卓でウチワ揉め(←これが言えて満足)

以下が筆者以外の人間に食べてもらった感想です。

  • 「たまに天ぷらの衣を外して中だけ食べるけど、今日は衣だけ食べた」
  • 「見た目同じだからって何でもかんでもメキシコと同じわけないじゃん」
  • 「セミの素揚げのほうが100倍おいしい」
  • こっそり新しい納豆を冷蔵庫から出してくる

そんな言葉がチクチクと刺さってきた夜でした。サボテンのようだ。


< もどる ▽この記事のトップへ  

 
 

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.