野も山も霜枯れているか
いろんな時候の挨拶を集めていて、大きく出たな、と思ったのがこのあいさつ、
「野も山も霜枯れた昨今」。
「野も山も」っていうのがスケールでかい。思わず「枯れ果てた」とつなげたくなる大風呂敷だ。
ちょうど高尾山には野草園があった。「山」だし「野」草だから、ここを確かめれば野も山も一挙両得ではないだろうか。
全体を見て回ったところ、枯れているのはだいたい3割くらいといった印象。ただ問題は「霜枯れて」というところで、枯れ草を見てもそれが霜枯れなのかそれ以外の枯れなのかよくわからない。
あいさつごときであまり神経質になるのもなんだし、そういう細かいところはうやむやにしていけばいいのではないだろうか。そういうナアナアな気持ちを込めて、こんな結果だ。
2009年版 正しい11月の時候のあいさつ
× 野も山も霜枯れて ○ 野草園(山)も3割くらい枯れて
あらためて見返してみると、まあ、書き換えすぎである。場所変えちゃったら検証の意味ないだろ。
正直に言おう、もう行楽ムードにすっかり当てられてしまい、「枯れ草はいいから早くサル見たいな」、「胡桃みその団子、うまそうだったな」、そんな雑念でいっぱいなのだ。
そういうわけでこのへんで検証はお開きとさせていただきます。あとは男29歳ひとり行楽のようすを時候のあいさつ風にごらんください。
猿たちの顔が赤らむ候
だいたいあってる
検証した時候のあいさつのうち、正しかったのは約半分。不正解のものも当たらずしも遠からずという感じで、総合的にはあいさつの内容はまあだいたいあってると言えそうだ。
だいたいそんな具合ですので、みなさまにおかれましては安心して時候の挨拶をお使いいただけたらと思います。
時節柄、一層のご自愛お祈り申し上げます。
敬具