北京駅を出てしばらくして、時速は150kmを超した。でも新幹線らしい速度というのか、時速200kmを超えることはなかった。新幹線にしては遅い。
でも普通の線路の上を走っているので、速いっちゃ速い。さらにこれは寝台列車だ。寝台列車で時速150km超なんて経験したこともない。だから速いような気がする。
わかりやすいほど速くもなければ、遅くもない。この微妙なバランス加減が和階号の醍醐味なのかもしれない。
22:15、ジュースはいかがですか、と車内販売のお姉さんが通る。疲れてそうなやる気のなさそうな声。彼女が通ると、外国人グループの部屋から手が出てきてあれこれ積極的に買っていた。
特別がたがた揺れるわけでもなく、この日は安眠できた。普通に寝れる。夜間はノンストップで上海へ。
上海到着
朝起きてしばらくしたら無錫という駅に止まった。上海までもうすぐだ。無錫は新幹線が頻繁に往復する上海と南京の間の駅。だからだろう、新幹線はスピードを増し時速200kmを超える速度で飛ばす。
でもやはり普通の線路の上を走るので、前の列車に追いつくと、追い抜くまで併走する車よりもバイクよりもゆっくり走る。私鉄のようで新幹線のようでもある。このアンバランスさこそ和階号らしいところなのだ、きっと。 |