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フェティッシュの火曜日
 
スリバチ歩きのたのしみ

3.スリバチ語録が面白い

そもそもスリバチってなんなんだという話を全然してなくてごめんなさい。


これです(国土地理院数値地図5mメッシュ+カシミール3Dで作成)

上の図は、どっかの山奥ではなくて新宿の荒木町という町の標高を強調したもの。こういうふうにスリバチ(には見えないけど)の底のように、あるいはアリジゴクの巣のように四方を囲まれた窪地のことを、第一級のスリバチと学会では呼んでいる。

これに関連して、いくつかの「スリバチ語録」があるんだけど、それがひとつひとつ面白いのです。

 

3−1.「スリバチの空は広い」

東京には空がないと智恵子は言う。しかし、会長の皆川さんによればスリバチの空は広いのだ。


皆川さん(左)と松本さん(右)、何を見てるのかなーと思ったら、

この空を見ていた

スリバチの底は、下町として背の低い住宅が建ち並ぶ。そのために空が広くなるのだ。あくまでぼくの理解ですが。

そしてもうひとつ上の写真から導き出される語録はこちら。

3−2.「建物は地形を強調する」

上の画面の奥側で、突然壁のように高層マンションが建ち並んでいるのが見えると思う。実は奥は台地の上なのだ。

こんなふうに、低地には低い建物が、高い土地は高い建物が建つことによって、その高低差が一層強調されるのだという。言われなきゃ絶対気づかないことだ。直接には法律上の制約で台地の上のほうが高層マンションを建てやすいという理由があるとのこと。


ここでも丘の上には高層マンションが

 

3−3.「スリバチビュー」

大塚も高低差の激しい町だ。スリバチの底にあたる坂下通りから、台地の上である春日通りへ抜ける坂道を登って振り返ったとき、会長の皆川さんはこういった。


「これはいいスリバチビューですね」

「スリバチビュー」。はじめて聞く言葉だけど、言いたいことは一目で分かる。この、上からスリバチを見渡したときの独特の開けた景色のことなんだろう。

はじめて参加する人は他にも大勢いたと思うのだけど、みな口々に「スリバチビュー!」といいながらその語感にやられていた。この両脇の家に住んでいる人がうらやましい、と言っている人がいて、誰かと思ったら会長だった。


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