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ひらめきの月曜日
 
週一日しかやってない店めぐりで一週間

煮干し&3時間半のサーズデー

木曜日にやってきたのは、渋谷区にあるラーメン屋さん。こちらも月曜日に訪れた店と同様、他の曜日とは別の名前でを出している店だ。そうそうたくさんあるわけではないようだが、ラーメン店の営業スタイルのひとつとしてこのタイプがあるらしい。

かなりの人気のある店と聞いて、開店より少し前に到着するように訪れる。

 

先客がたちはだかる

それでもすでに前には5人ほどの列ができている。それほど大きい店ではないのだが、なんとか開店時に入れる番にはつけただろうか。

こちらはレギュラーの看板
木曜日のみにかかる暖簾

このお店、普段は「不如帰(ほととぎす)」という屋号で、ハマグリなどからダシをとったスープのラーメンを出して営業している。しかし木曜日だけは、暖簾にもあるように「裏不如帰」として、貝ではなく煮干しダシのラーメンを出しているのだ。

さて、看板を見ているうちに開店の時刻となった。列が中に進んでいき、順番に入り口の券売機で食券を買っている。私も一回目の客として入れそうだ。


昼しかやってない
黒を基調とした落ち着いた雰囲気

店内には木曜日の営業についての説明書きが張ってあった。営業時間は11時半から3時まで。月曜日に紹介したラーメン屋は昼夜あわせて10時間営業していたのだが、こちらはわずかに3時間半。一週間のうち、その間だけしか食べられないわけだ。

注文したのは「煮干しそば」。カウンターの8席のみという店内に、煮干しのにおいが漂う。


シンプルな見た目では香りを伝えられず残念

席から厨房の様子が見える。どんぶりやチャーシューをちゃんと温めてくれているのがうれしい。そして自分の分がやってきて、さらに高まる煮干しの香り。


海苔の上に乗っているのも魚
ダシが濃くてうまい

ぐいぐい鼻と口にやってくる煮干しのダシ。海苔の上に乗った小魚のカリカリとした食感が楽しかったり、メンマがとてもやわらかかったりと、細かいところもうれしいラーメンだった。おいしくいただきました。

 

 

おしゃれ&人んち感のフライデー

金曜日にやってきたのは中野区にあるこのマンション。遠目から見ると思い切りマンションだが、歩いて近寄っていってもかなりのマンション。実際、普通に人も住んでいる。


力いっぱいにマンション
かなり近寄ってやっと出てきたカフェ感

この一階の一部分がカフェとして営業しているとのこと。とは言っても、もともと一階部分だけ店舗用に作られたというわけではなく、普通の部屋だったのがカフェ化されているようだ。

だから看板を見つけてそこが「カフェ トレフル」という店だとわかっても、漂ってくるのはどちらかと言うと人んちっぽさ。それを完全にぬぐおうとしてなさそうなのもいい。


ベランダから入るのも楽しい
おしゃれカフェ感一歩リードか

ベランダで靴を脱いでスリッパに履き替えて店内に入るというのも、人の家におじゃまする感覚を呼び起こす。しかし店内に入ると、いろんなデザインの椅子が並ぶなどしておしゃれカフェっぽさが漂ってくる。

心の中で拮抗する、おしゃれカフェ感VS人んち感。いい勝負なのだが、やはり店内に入るとカフェっぽさがやや優勢だろうか。


おしゃれカフェポイントアップ!
人んち感も負けないぞ!

室内の棚に置かれた古いタイプライターや小さな絵の額はやっぱりおしゃれカフェチック。しかし、最後まで燃え尽きた蚊取り線香はおしゃれ感の独走を許さない。

両者相譲らず、と言えばいいだろうか。けれども、その空気がなんとなく心地いい。


ここで人んち感一歩リード
ぐんぐん勢いを増す人んち感

壁に貼ってある日本地図で人んち感がスピードを上げる。棚に置いてある詩集や絵本でおしゃれカフェ感が巻き返す。この店にはそこかしこにいろんな本が置いてあって、自由に読んでいい状態になっているのだ。

勝負が緊迫感を高める中、トイレに立った同行の妻が持ってきた本は「隠れ河原のかりん糖物語」。かりんとう会社の社長の半生を描いた繁盛記だ。

これでまた人んち感が体ひとつ前に出る。このまま人んち感の勝利に終わるのだろうか。


フードメニューで追いすがるカフェ感
妄想をかきたてるメニュー

注文したのは「夏野菜たっぷりの塩豚丼」と「フランスパンのオープンサンド」。これは友達のお母さんが作ってくれたと言うより、同じゼミの女の子のアパートに遊びに行ったら出してくれた晩ごはんのようだ。

もちろん妄想だ。野菜たっぷりのおしゃれ感が、実体験という辞書にはない妄想を加速させる。あいまいな表現と自覚して言うが、ほっこりとおいしい。適当なことを言って申し訳ないが、ここに来ておしゃれカフェ感に当てられた感じだ。


読めない人は私も仲間です

実はここ、「ウナ・カメラ・リーベラ」という名前のカフェスペース。曜日ごとに違う人たちがそれぞれの名前でカフェなどを運営しているのだ。つまりは週一営業のワイルドカード。

訪れた日は金曜で、始めに紹介したように「カフェ トレフル」というの名前での営業。他の曜日もそれぞれ個性のあるカフェとなっているようなので、毎日通っても新鮮な気持ちで楽しめそうな店です。


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