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ひらめきの月曜日
 
週一日しかやってない店めぐりで一週間

レトロ&ステーションのサタデー

週一営業のお店を巡るのも最後となった土曜日。やってきたのは松戸市にあるこの店だ。


正面から見ると、駅?
横から見てますます駅

黙って見せたら多くの人が駅だと思うだろう。しかし、小金原という駅は実在しない。この店がある町名をとっているわけだ。電車が店の中の埋め込まれていたり、軒先の作りが凝っていたりと、かなりの本気度を感じる。

「ダガシヤダイチャン」というこのお店。営業時間は来訪時現在、土曜日の午後1時から5時までの4時間のみ。店内に入ってみよう。


まさに駄菓子屋

店名の「ダガシヤ」はそのまま「駄菓子屋」。たくさんの子供たちでにぎわっていて、真剣にお菓子を見つめて選んでいる。壁面に高密度で商品が並んでいると、圧倒されるような気がして大人でもテンションが上がる。

こんなにあったら選べない
隙のない陳列がすごい

謎の欲求を刺激したクジ
新幹線のキーホルダーも販売中

それほど広くはない店内にギュッと詰め込まれたお菓子やおもちゃたち。限られたこづかいでこの中から買うものを選ぶのは、子供にとって真剣勝負だろう。

なのに、男子の心に割って入ってくるのは蜘蛛やトカゲのビニール人形が当たるクジ。どうしてそれがほしいのかわからないままにお金を払って、末等の変なムカデを受け取ったりした覚えがある。

店のご主人の話によると、別に本業はあるのだけれども子供の頃に通ったこういう店が好きで、週に一日だけ自分で開いているとのこと。そういうのってきっと、ものすごく楽しいだろうなと思う。

ただそれにしても、本気度は半端なくすごい。


外から電車に見えたのはリアル電車
一日まったりしたい

店の外から電車に見えたものは、作り物ではなく本物の電車。80年代のものを買い取って塗装しなおしたとのこと。つり革や網棚はそのままに、席に座ってお菓子を食べられるようになっている。

私も座ってみたかったのだが、訪問時は子供たちに大人気で大人が立ち入る隙がない。それはそうだ、自分が子供の頃にこんな店が近くにあったら、いりびたるのが目に浮かぶ。


加速する昭和
気になって何度も読んでしまうコピー

雰囲気作りディスプレイされている昔の看板やポスターなども本格的。こういうところに政治家のポスターがあるのも新鮮だ。

バーモントカレーは現在、どちらかというと子供やファミリー向きとして売られているような気がするが、店内にあった看板には「生きてる若者の辛さ」というコピーが。「生きてる」がそのあとのどの言葉を修飾しているのか、何度か心の中で読み直して考えてしまった。


いい感じのラベル

のどが渇いたので買ってみたのは「北総サイダー」という瓶ジュース。千葉のいわゆる地サイダーであるらしい。

電車の中は混雑して座れないので、外に置いてあるベンチで飲む。一口目から感じたのは、よくあるペットボトルのサイダーとは違う甘さ。最近の清涼飲料水には甘味料として砂糖以外のものが使われることも多いようだが、このビンの原材料表示には砂糖の文字が。 これが懐かしいような味の秘密なのだろう。


これは気になる
安い、けどいらない、でもうれしい

他に気になって購入したのは60円の値段がつけられていた「おたのしみぶくろ」。子供向けの福袋といったところか。袋は高さ25cmくらいとそれなりに大きいことも気になって、ひとつ買ってみた。

出てきたのはセサミストリートのカプセルケース、ピンクゴリラのキーホルダー、ペンギンのクッション物入れ。

まず思ったのは、60円でこの内容は安い!という感想。そのあとじんわりやってきたのは、でもこれいらないな…という冷静な判断。そして再び、でもこれ60円なら安いよ!と自分への励ましがやってくる。

子供だったらもっと深くいろいろなことを思ったりするのだろうか。大人もいろんな思いが湧いてくる、楽しいお店でした。

気持ちわかるよ

七つの店をまわって共通に感じたのは、お店の方がとても感じよく、楽しそうに働いていたということ。週一日しか営業しないのには、それぞれ特別な思いがあるからだろうか。それが訪れた側にも伝わってきて、どのお店でも楽しく過ごすことができた。

最後のお店では、たまたま前を通りかかった子供が足を止めてじっと店を見ているという場面を何度も見かけた。そりゃ気になるよなあ。


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