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フェティッシュの火曜日
 
会社辞めます!そんな告白シチュエーション

あちらから聞きに来る場合もある

そして4人目は『大怪獣、新宿にあらわる』などで以前もご出演お願いした漫画原作者の鶴岡法斎さん。ちなみに今携帯サイト「コミックシーモア」で「切断王」という漫画を連載中です。そんな氏が現在のように漫画原作や評論を生業にする前のお話。高校卒業してから営業をしばらくやってたそうですが…。


「親に大学進学を反対されて、ヤケクソみたいな感じで仕事してたのよ。もう東京出るのが目的みたいな感じで、ちっちゃい15人くらいの会社なんだけど」

−−何年くらい働いて辞めたくなったの?

「営業を1年半くらいしてたんだけど、あんまり向いてないのともともとやりたくなかったってのもあって。それで退職届を出そうと思ったら、タイミングがなかなか無くって」

−−みんながいる前で「はい!」って渡すもんじゃないしね。

「そう。そのうちタイミングがもうわかんなくなっちゃって…ほら、『仕事がノイローゼになって辞める』ってあるじゃない。そうじゃなくてオレの場合、『いつ辞める話を切り出すか』を考えてるうちに病んできちゃって」


「病んできちゃって」の後に写真入れるとヤな感じですね。

ここまでの話を読んでわかるとおり、辞める話は恋愛の告白ばりのタイミングと場所が必要とされる。それが見あたらないと恋わずらいばりに悶々としちゃう。しかしそれがさらに悶々し過ぎると大変なことに…。

「一ヶ月くらい悩んだあたりかなあ、初めて無断欠勤しちゃったのよ」

−−悩みすぎて倒れる勢いだ。

「ノイローゼぽくなって酒飲み過ぎちゃって、
もうダメで。逆に呼び出されたんだよね、『様子がおかしい』って」

−−結局あっちから来てくれたわけだ。

「向こうは『仕事がつらいのか?』って聞いてくるんだけど、こっちは『辞めたいのを言い出せないのがつらい』って、何か妙なズレがあって」

−−「辞めたい」ってのは同じだけど、決定的理由に関してはまた別だもんなあ。

「それでもう社長と2人きりで話すことになって『もう許してください、やめさせてください』ってやっと言えて。だから、向こうに機会を作ってもらった感じだな、うん。俺の倒れ待ち!」


タイミングは大事だけど、待ち過ぎるとこんな事に…。結果として辞めれたけども、悩みすぎて自家中毒状態。サイワイといえるのは状況が状況だけにそこからはすんなり手早くその会社を辞めれたことか。

−−それで言ったら落ち着いたの?

「うん、退職届が受理されてからは残りの仕事がはかどるはかどる!腹から声出るようになって辞めれたね!」


よほどストレスだったんだろうなあ。言うべき時にはちゃんと言おう!皆。

辞める教訓:

病んでも辞めれるけど

病む前に言おう


と、自分含め5人の辞めたい告白シチュエーションを聞いてみました。合間にも書きましたけど、どこか恋愛っぽいですね!それは言う方の「勇気とタイミングが大事な感じ」もそうだけど、言われる方もあっさりだったり未練たらたらだったり。そろそろボーナスの時期だし、これもらったら年度末には…とお考えな人の一助になればサイワイです!

インタビュー物は写真がなくて困りますね。一部撮影は安藤さんでした。

文書より口頭派が主流だ

あとあらためて聞いてみると、辞表って出してる人の方が少ないですね。スーツのフトコロに仕込んで…みたいなイメージですが。まあ書いたところで印象良くなる、てもんでもないし、最後を良くしてどうするって話でしょうけどね。それでも5時間説教やるような社長とかが増えたら、負けじとパワーポイントやスライドショーで離職理由を説明、なんてのも出てくるかもしれない。


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