完璧な仕上がり、90分の1秒写真
室内では光量が足らないかもと思ったが、壊れたカメラのレンズはデジタルの方よりも「しぼり」を広く開けるので、全開にして撮ったら意外といけた。 すごい。これは面白い。
90分の1秒の写真館 〜秋の早稲田、新大久保界隈〜
僕は翌日、カメラを2つぶらさげて、都内へと写真散歩に出かけた。 そのうち8枚を、ギャラリーにしてお見せしたい。
フィルムでの撮影は、緊張感がまるで違う。厳密にきっちり水平を意識して、風景に向かう必要がある。
昼間、普通に風景を撮る分には、しぼりの開き具合は、「F11」という値で大体それなりに撮れることに気がついた。
なら、「シャッター速度1/90、しぼりF11、フィルム感度400」の設定だけで撮れるカメラを作れば、どこでも撮れる手軽なカメラになるんじゃないだろうか? と思って調べてみると、「写ルンです」などは、大体その設定になるように作られている、とのことだった。
僕の経験が、30年遅れぐらいで現実に追いついた。
取材で撮っている、と言ったら、おじさんが猫に「お前ら週刊誌に載るぞー」と言って喜んでいた。 すいません、週刊誌じゃないのです。デイリーポータルなのです。残念に思わずにいていただけると幸いです。
さて、本当は都庁を撮りたくて、新宿を目指して歩いていたのに、その手前で日が暮れてしまった。もう暗くて、1/90秒では撮れない。 しかしそんなときのための裏技が用意してある。 夜になっても、このカメラで撮影することができるのだ。