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ひらめきの月曜日
 
悪魔の兵器・すね毛剥がしマシン開発日誌

電卓にもブラインドタッチ

 前ページではみんな知ってる商売道具を紹介しましたが、こちらはさらに身近。「みんな持ってる」商売道具を2つご紹介します。よく知ってる物だけに、プロとの違いを実感しますよ。

 

経理/学校栄養職員/会計士の商売道具

電卓

用途:計算をします。

価格:1000円前後〜6500円前後


写真は経理のかずぅ。 さんよりいただきました


 ちがった職種の3人から同じ回答をいただきました。ここでは3人の回答を比べながら見ていきましょう。

回答者:経理(かずぅ。 さん)、学校栄養職員(給食の献立を作ります)(suna さん)、会計士(なかむら さん)


−−電卓はどうやって選ぶんですか?

経理:電卓によって0の位置とか0の数とか(0があったり00があったり)各キーの位置とか違うので、自分の慣れたものを。

学校栄養職員:手に合う大きさと、使いやすいキー配置、押し心地、表示の見やすさです。

−−機能に違いはあるんですか?

学校栄養職員:個人的な好みでは、ソーラーと電池の二本立てで駆動するもの、それから表示部が自由に傾けられるものが好きです。天井灯の明かりが足りない時や、反射で見づらいのを防ぐために。

会計士:私が使っているのはワイヤレスのテンキーにもなるタイプなので、電卓に入力した数字をそのままExcelに入力できて便利です。

−−プロの電卓づかいってどんな感じなのでしょう?

経理:スピード勝負なので、キーは見ないでブラインドタッチで打ちます。人差し指、中指、薬指の3本で3列の数字ボタンを、小指で「+」「−」を叩きます。パソコンのブラインドタッチのように決まった指づかいがあるわけではないですが、電卓によっては5のボタンに突起(キーボードのFとJについてるような)がついていたりしますよ。

会計士:電卓は左手を使ってブラインドタッチで打ちます。右手にはもちろんえんぴつです。


 身近なようで奥が深い電卓。電卓技能検定というのもあるようです。公式サイトに試験問題のサンプルがあるのですが、3〜5桁の足し算450回分を10分でやれ、みたいな無茶な問題でした。何事も極めれば道!

ちなみに会計士の方は、電卓と一緒に定規を使うそうです。書類の何行目まで計算したかわかるように、定規を動かして指しながら計算するのだとか。定規選びにもこだわりがあり、透明な定規がいい人(定規の下の文字が見える)と、透明でない定規いい人(下の文字が見えないので、今入力してる数字に集中できる)がいるのだとか。

 

プラント設計者の商売道具(Kenz さん)

シャープペン

用途:線を描きます。

価格:1000円〜5000円


−−いいシャープペンとは?

先端部分が一つの部品でできているもの(先っぽの筒状の部分が後で差し込むものじゃなく、金属で一体になっている)です。プラに金属の筒を差し込んだものは、そこがグラグラになって使えなくなります。
また、厚めの定規(狂いが少ない)を使うため、この部分が長いものがいいです。
重さは、多少重めのもの。

高いシャーペンは、とにかく駆動部、継の部分がほぼ金属。パーツ割も最小限ですね。


ちょうどニフティに両方のタイプがあったので写真で説明。上が「先端部分が一つの部品でできているもの」です


−−やっぱり何本も使い分けるんですか?

書く線の太さ、用途ごとに用意します。
0.2mm、0.3mmの下書き、0.3mm、0.5mmの本線用、0.5mm、0.7mmの文字書き用、0.5mmの赤、青線用など。

−−シャープペンの使い方にも技術があるんですか?

均一の太さの線を書くコツがあります。普段よりたち気味に握り、シャーペンを廻しながら同じ力で一気に書くことです。また、書き終わりは一旦停まってから少し戻すようにすると、端がきれいになります。
エッジのついている定規を使う場合は、裏返して書くと、定規と紙の隙間に芯の粉が入らないのでキレイな線がかけます。
エッジのない定規の場合、定規の裏にパッチシールやラベルシールをはり、同様に少し浮かせます。

あと、芯つまりの対処は図面屋は非常に早いです。


 ふだん使い慣れてるシャープペンにもこんな技術が。僕もロットリングのシャープペンを(おしゃれ感覚で)1本持っていますが、あのペン先にこんな秘密があったとはね!

さて「みんな持ってる」編はここで終わり。ちょうどシャープペンがでてきたついでに、文房具をいくつかご紹介します。

 

 

ペーパークラフトデザイナーの商売道具(mizio_s さん)

鉄筆

用途:折り目に筋を入れてきれいに紙を曲げます。

価格:600〜2500円くらい


−−鉄筆って何ですか?

鉄の筆記具です。ペンのように先が尖っている(丸く尖っている)ものが一般的ですが、お好み焼きのこてのように銀杏型になっているものもあり、わたしは後者を使うことが多いです。
(尖っているものは折れることがあるため)
先端だけを交換できるものもあります。

−−ペーパークラフトを作るときは必需品?

ペーパークラフトキットなどの説明書には、使用する道具に
「インクの切れたボールペン」を準備するように、と書かれていることがあります。しかし、そうそう都合良くインクの切れたボールペンなんて転がっていませんよね。だから鉄筆を使います。
余談ですが、あるペーパークラフト作家さんが、文具メーカーと協力して自分のキット(型紙商品)に、インクの切れたボールペンを付属品として付けて売ったことがありましたよ。


 調べてみると、他にはガリ版印刷や、レザークラフトにも使う道具のようです。英語でいうとスタイラス。PDAやニンテンドーDSに使うアレと同じですね。

 

 

建築CADオペレーター商売道具(behoime さん)

三スケ(三角スケール)

用途:三角柱の形状をした定規です。六種の縮尺が刻まれています。

価格:1000円前後


−−三角スケールって何ですか?

三角柱の形状をした定規です。三面×その両角=計六種の縮尺が刻まれています。建築では図面ごとに描かれる縮尺が違うので、このようなものを使います。

−−選ぶときのポイントは?

土木用と建築用で刻まれているで縮尺が違うので、間違えて買うとションボリします。
三スケを知らない人に説明する時におじさん達は「三スケって三助のことじゃないよ」って必ず言う。


 三菱のマークを金太郎飴にしたみたいな形の定規です。定規もCADオペレーターともなると目盛りが6つ。ちなみに「三助」みたいな業界ジョークは以前集めて記事にしました。あわせてどうぞ。

 

 

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