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はっけんの水曜日
 
憧れの定置網に逢いたい

港での出荷作業

ここの漁師の仕事は魚を獲って港に運ぶところまでではなく、船の上に続いて魚に合わせた処理をして、出荷したりセリにかけたりするところまでが仕事となっている。家に帰るまでが遠足だとするならば、魚を出荷するまでが鴨川の定置網漁なのだ。


出発地点からちょっと離れた鴨川の魚市場へ直行。一般の人は買えません。

特別な処理をした魚には一匹ずつ、鴨川の定置網で獲れたこと、そして処理方法が書かれたタグが付けられていく。こういったタグは松葉ガニなどでは見たことあるが、1匹数百円のサバにまで付けているのがびっくり。確かにこれがあれば魚を買う時に選ぶ基準が増えてうれしい。

このタグは鴨川漁協の人達にとって、出荷する魚に対する自信と責任の表れなのだと思う。


ある程度大きいブリは活魚のまま出荷するか、一匹ずつ丁寧に血抜きをおこなう。下に布団が引かれているのがポイント。
さらに神経抜きという処理も。これで刺身にする場合の日持ちが全然変わってくるそうです。今度やってみようかな。

獲れた場所と処理方法が書かれたタグがつけられていた。確かにこのマグロは船上で活〆されていた。
このタグがついているサバなら、自分が釣ってきたサバよりおいしいかもしれない。

「この魚をおいしいと思った人が、タグを見て鴨川まで食べにきてもらえれば一番うれしいです。」と漁撈長。
セリに掛けられない魚は、船から上がってあっというまに配送のトラックに乗せられていった。

このように学ぶことだらけだった定置網漁取材だったのだが、実はこれで定置網保有の夢をあきらめたわけではない。

確かに鴨川のような大型定置網は私などの器には収まらない地域の共有財産のようなものだと理解したが、この取材後に富浦漁協の人から一人二人で運用できる超小型定置網というものが存在するという情報を聞いたので、今度はそっちに狙いを変えて生きていきたいと思う次第だ。

どこまで本気なのか、もはや自分でもわかっていない。

帰り道の話

この日は朝からうまそうな魚を見ていたので、これは絶対にうまい魚を食べて帰らねばと同行いただいたカメラマンと盛り上がったのだが、水曜日は休みの店が多くてなかなかいい店が見つからず、だいぶ鴨川から離れてから入った回転寿司で、思いっきりはずしてしまった。

それはそれは切ない寿司だった。

イナダよりも大きくてワラサよりも小さいサンパクというサイズのブリをもらったのですが、こちらは血抜きが完璧でうまかったです。

取材協力:鴨川市漁業共同組合


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