「夏に毎日のようにテレビ出てる人だったらそりゃみんなわかりますけどね。12月くらいまで売れるんだろうな、って。

でもその時点で誰もいなかったらだめですね。

今回のスローなカメラマンは夏くらいにうちの社長とかが『なんか最近テレビ喋り方のおもしろいカメラマンいるよね〜。あれの格好おもしろいよな〜。』とか言ってたんですよ。でもここまで人気が出るとは思ってなかった。

9月になって歌手が出てくるかなと思って、AKBは流行ってましたけど、うちは制服分野あんまり得意じゃないんでやらなかったんですよね。」

どうやら話を聞いていると「思いついた！」っていう感じの決め方じゃないみたいだ。

雷に打たれて…とか、夢枕にスローな戦場カメラマンが…とかおもしろいのがあればよかったが、誰が流行なのか？が問題だから、突拍子もないアイデアでも困るのだろう。

もちろん企画会議を社内でするし、売り場の人からあれ作ってこれ作ってという提案もあるそうだ。

「名前出したら悪いけど、小島よしおさんかなあ。一時期バーっと売れたけど年明けたら売れなくなったり。

あとはギター侍の人とか。一発屋芸人ってその時から言われてる人は怖いですね。」

エンタの神様とか旬の人がたくさん生まれましたよね。

「あれがあったときは、おもしろそうな人っていっぱい出てましたけど、そんなに続かないんですね。

視聴率もいいし、売り場でも『あれ作ったら？』なんて言われるけど、そこから試作したり小道具揃えたり一ヶ月は絶対かかるんで、売れてるのが二ヶ月とか三ヶ月とかだと厳しい。

最低半年もってもらわないとね。作って出したころに下り坂だとみんな見向きもしないでしょうから。」

エンタの神様はつくづく不思議な番組だった。終わった今でもこういうエピソードを聞くとあの危うさを思い出す。

誰がなりやすいのか？をまとめると

以上の点をまとめると、誰が年末のタレントコスチュームの目玉となるのか？は

・６〜１０月の時点で大人気
・誰が着てもそう見える
・安い、作りやすい
・小道具を使うもの、多人数のユニットならなお良い
・エンタの神様には気をつけろ

この辺りだろうか。これらの条件を満たすタレントがコスチューム界でにぎわう。

こう考えると矢島美容室がやっぱり良い。マツケンサンバも最高。

ここでものすごく当たり前な質問をしてみたくなった。

多分渡部陽一のことなんだろうなとみんな思いながら買ってる「スローなカメラマン」はどうして「渡部陽一」と名乗れないのだろう？

「それはだって本人に許可得ないとだめじゃないですか？」

はい、すいません。怒られました。なんでおれが。でも渡部陽一「風」だとどうですかね？

「風ね。う〜ん、許諾を受けて本人の監修受けるっていうパターンもあるとおもうんですが、元々消費期限とかニッチな市場とかありますから、スピード勝負っていうところもありますからね…。まず難しいですよね。」

キャラクタービジネスになっちゃうと許諾のためにスピードは遅いし、最低でも何千ヶ作らないといけなかったりするから、まあ無理だろう。

そういえば商品のパッケージも全部自分たちでやってるそうだ。写真もここで撮ったり、モデルさんも自分たちで、デザインもやるのよ〜、とおばちゃんが言ってた。