ニセモノを食べて本物に憧れる
微妙に違うものを食べて「やっぱりこれちがうな」と思っていけば本物への憧れも高まると思う
作ってもらおう
やはりデニーズ以外のお店で「チキングリル生姜醤油ソース」というピンポイントなメニューは置いてないので、妻に作ってもらうことにした。
「今日の晩ご飯、チキングリルの生姜醤油ソースっぽいものにして。でもそれは作らないで微妙にちがうものにして」
そんなよくわからないオーダーが通るのも家の力だ。
全然ちがう、と落胆する自分の変化
チキングリルの生姜醤油ソースっぽいものにして、とお願いして出てきたのはグリルというよりは、マスタード煮っぽいもの。おい、煮じゃないか、煮。
これじゃあ全然ちがうじゃないか、と「違うもの作れ」と自分で言っておいて、ここまでがっかりできたことに少し驚いた。
ポスター効果か、自分の中にチキングリルに思い入れが出てきてるんじゃないか。
本物よりうまいもの作ってきやがった
調子に乗ってブーブー言ってたら、リベンジだと言って翌日また鳥料理が出てきた。
鳥の皮を下にして30分焼いたものだそうだ。
あれだ、電話で教えてもらった鶏皮パリパリメソッドか。聞けばスチームするのも、はいはいあれね、的な口ぶりである。有名なのかこの知識。
そしてそんな知識のある人が作るものはうまい。いや、なんだこれは。「妻の料理がうまい!」そんなインターネットの記事、誰が読むのだ。
収拾が付かなくなってきた。ああ、もう早く本物が食べたい。
腹を空かす
当日は昼飯を抜いた。体が食べ物を欲しがるようにする、2.の体内欲求を高めるため。
待つ
行列店のラーメンはうまい。テーブルの片付けを待つ時間が思い込みによって、行列に変わる
いよいよ当日
さあ、待ちに待った当日。一週間という時間が経った。ようやくうるわしのあのメニューに会えるのだ。
「チキングリルの生姜醤油ソースとライスとホットコーヒーをください」
どれだけこの瞬間をまちわびたことだろう。