海にて 観賞魚ゲット
いよいよ最後の舞台である地元の海へGO。
この日は潮がよかったようで、釣り場に着くと先客の釣り人たちがオキアミを餌にしてカサゴやベラなどを次々に釣り上げているのが目に入った。みんなすごく楽しそう。一緒に餌釣りをしたくなったが浮気は許されない。というかできない。なぜなら釣具箱にはスプーンしか入っていないのだから。
この辺りはスズキやハタなど、小魚を餌にしている魚がよく釣れるポイントでもある。 実験を行うのに適した場所だろう。さっそくさじ投げを開始する。
勢い込んで力いっぱい投げたところ、接着剤がはがれてスプーンだけが水平線めがけてフライアウェイするというトラブルがあったが20投するかしないかのうちに、
まさかこんなに早く釣れるとは!やっぱ海ってすごい! ハタか?スズキか? テンション上がる。胸膨らむ。
釣れたのはミノカサゴという魚。長いヒレをなびかせて泳ぐ姿がきれいなので観賞魚として人気がある。ペットショップや水族館で見たことがある人も多いかもしれない。 でも背ビレのトゲに毒があり刺されると痛いので釣り人からは嫌われている魚だ。
割と珍しい魚で、釣り上げたのは僕もこれが初めて。いつか釣ってみたいとは思っていたがまさかスプーンで釣れるとは。 こんな風に想定外の魚が釣れるのが海釣りのよさだと思う。やはり母なる海の懐は深い。 池や川でルアーを使って釣れるとしたらブラックバスやナマズあたりだろうというのは、正直言ってある程度予想できる結果だったので、こういう思ってもみない魚に出会えるととてもうれしい。
…うれしいんだけど、海でも川でもこうも妙ちきりんなやつらばかり釣れると少し複雑な気持ちになる。眉間にしわも寄る。 それにしてもカメに続いてこんな珍客を惹きつけてしまうスプーン。実はものすごいポテンシャルを秘めているのかもしれない。だってこんなやつら普通狙ったって釣れないよ。
池や川以上に好調な滑り出しだったので、このまま勢いに乗れるのではと期待に胸が躍った。ひょっとするとスプーンで大物入れ食い!なんていう恐らくは前人未踏であろう境地に足を踏み入れることになるのでは。と期待していたのだが…。
その後はぱったりと反応無し。夜になり潮が引くまで粘ったが、結局海での獲物はミノカサゴ一尾のみとなった。 今思うとあれは釣りに来ているくせに釣具箱にスプーンしか入っていない僕を見て哀れに思った海の神様がくれたプレゼントだったのかもしれない。
ともあれ池、川、海といずれの水辺でも魚が釣れました。これにて実験終了!
ヨーロッパの人ごめんなさい
「釣れるわけねえだろ!」という疑念に端を発した本企画でしたが、実際に挑戦してみると意外なほど釣れるわ釣れるわ。魚だけでなく爬虫類まで釣れてしまう有様。逸話に登場する釣り人に疑ったことを謝らなければならない。
なんにせよ、実際に釣れることが証明されたので、釣りが好きな方は加工の方法などを改良しながら、身近な釣り場で一度試してみても面白いと思います。今回の記事のように予想だにしない獲物が釣れるかも。 でも正直に言うと、やっぱり普通のルアーや餌を使ったほうが効率よく釣れるのは間違いないと思います。