文京区千駄木のくねくねほそ道
つづいては千駄木だ。周辺の谷中や根津とあわせて、谷根千(やねせん)とひとくくりで言われることもある。場所はこのあたり。
千駄木は、ぼくが細道に目覚めた場所でもある。
よみせ通りという商店街を歩いていると、左右から合流する道や、並行する道がことごとくこういう細道なのだ。
どうですかこれ。自転車で走るのはちょっとためらわれるくらいの狭い道。そこに向こうからおばあちゃんが歩いてくる。いいなあ。
歩くならこういう道を歩きたい。広い道はもういらない。
この微妙な曲がり具合。完璧である。
細い道がくねくねしているのが好き、という感覚はなかなか他人に説明しづらいし、自分でもなぜなのかよく分からない。でも高級な住宅地に広い道がまっすぐひいてあるのとどっちがいいかといったら、そりゃあもう絶対こっちに住みたいと思うのだ。
なお、このへんにはむかし藍染川という川が流れていた。だからこういうそれっぽい道を見ると、むかしの支流だったのかなというようなことを考える。りっぱなじじい趣味である。
細道に夕方が訪れる。
この写真にはうつっていないが、ぼくにはここを走り回る子供たちの姿が見える。たぶん友達どうしでサッカーか何かやっているのだ。そして画面に「千駄木 こころの道」というタイトルが現れて、NHK小さな旅のテーマが流れ出すのだ。
何をいってるのかと思うかもしれないが、自分でもそう思う。でもなんかそんな路地じゃないですか。
そして夜。
こうなるとちょっとさみしいような気もする。子供たちも家に帰り、宿題でもやっているのだろうか。もともと人通りの多くなかった細道はいっそう静まりかえり、いまではそっと人々を見守っているのだ。
なんか言ってることが分からなくなってきたので、このへんで終わることにしよう。
文京区の低地を見よ
今回ぼくは、ようするに低地が好きなんだなということを発見した。
川跡とか、細道とかをばくぜんと好きなんだなと思っていたけど、それらをまとめるとつまり低地の風景がすきなんだろう。なお、低地に細道が多いのは、高台とちがって開発されにくいために、昔のごちゃっとした道が残りやすい、また川の支流由来の道も残るためだろうと思う。
今回紹介したところ、とくに文京区本郷の菊坂周辺はほんとうにすてきなので、ぜひ訪れてみてください。あと千駄木もいいところです。