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1月のテーマ:汁


フェティッシュの月曜日

東京おしるこマラソン
stage 4 おかめ

有楽町界隈に数店あるが、ここは別館。


田舎じるこ 660円


魅惑の青のり


BGMは「炎のランナー」

有楽町マリオンの裏にある甘味処。田舎じるこがでかい。

食べるたびに体がブルっとくる。ふと思った。ビールのようにのど越しだけで飲んでみたらどうだろう?

僕はむかしビールが飲めなかったのだが、舌で味わずにのどに流し込むようにしたら飲めるようになったのだ。しることビールは味のベクトル(苦みと甘み)がちがうだけで極端さは似ている。試してみる。

……ブルッ!

いっそう激しい震えがきた。下を向いて耐える。遠足のバスで吐き気と戦っている子どものようだ。

近くのテーブルではギャルふたりがずっと甘いものの話をしている。

「ヨックモックのクッキーおいしいよねえ。」
「人形焼も皮が薄くてあんこがたくさん詰まってればいいのに」
「トラピストクッキーもおいしい。」
「北海道のおみやげはハズレないねえ。」

そこから話はダークになってゆく。彼女はさいきん恋人と北海道に行った。でも、前の恋人となんども北海道に行っている。でも、それはいまの恋人には秘密にしている。

「北海道はじめてのフリしてずっと無理して『わー、ひろーい』って言ってた。」

北海道の感想は「広い」だけか。

おしるこはまだまだ残っている。テーブルに青のりがあるのでなめてみる(このお店にはやきそばもあるのだ)。

ああ、青のりだ。別に甘さを忘れさせてはくれない。

最後のひとくちをいっきにかき込む。お餅が飲み込めない。震えながら時間をかけてお餅を飲みこむ。

ギャルの横で震えながらモチを食う。

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