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特集


エキサイティング火曜日
 
実録 火渡り祭り修行

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小さい子供もまじってる
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ひとり背を丸める私

火渡りオープンマインド

なんとなく心にひっかかるものが残ったままの私だったが、進行役のお坊さんは意外なことを言い放った。

「それではみなさんも並んでご参加下さい」

え?そうなの?これってみんな渡れるの?予備知識なしで訪れた私には意外な展開。しかし他の参加者はそんなことは承知だったようで、みんな靴下を脱いで列をなしはじめた。

人が渡っているのを見ている間こそ「そんなに熱くなさそうじゃん」と思っていたが、自分も渡れるということになると急におじけづく私。あれで意外と熱いんじゃなかろうか。

見れば子供も列に並んでいる。まじか。

ここで参加しないわけにはいかないだろう。心願成就のため意を決する私だった。(繰り返しになりますが、おすしなのですが)


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あー、ちー、ちー、あー、ちー(郷ひろみ調に) 燃えてるんだろうかー(燃えてます)

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火渡りドキドキパニック
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心頭滅却しなくても、そんなに熱くない

ビバ修行

みんなどんどん渡っていく。子供も渡ってる。

大丈夫なのかと不安な私に聞こえてきたのは、列に並んでいるおばあちゃんが、孫とおぼしき子に諭すように話す声だった。

「いいかい、心にやましいことがあると熱いんだよ」

やばい。やましいことだらけだ。邪念を払え、おすしのことはもう忘れろと自分に言い聞かせているうちに、私の番が回ってきてしまった。

「不動明王さまの目を見て歩いてください」

お坊さんにそう言われた私だが、目なんか見ちゃうと逆にいろいろと見透かされそうで恐ろしい。しかしながら歩いていく方向のちょうど前方に奉ってあるので、前を向いて歩くと自動的に目が合う。

合図とともに歩みを進める。おりゃー。

……確かに熱い。でも、マイルドな熱さ。

おお、これなら大丈夫。達成感こそあまりないが、これで願いが叶うならいいんじゃないかと思う。




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おつかれっす!

カジュアルな修行のある生活

見物だけのつもりだったが、いつの間にか巻き込まれてしまっていた火渡り修行。貴重な経験とは思いつつも、予想外のマイルドさに自分の中の修行観に転換が訪れた。

そして気がついたのは、別に修行をするしないに関係なく、お金さえ払えばおすしは食べられるということだ。

修行の意味を否定しかねない気づき。

いや、そもそも修行なんてそんな目的のためにすることではない。修行とは本来、自己を高めるために行うものだろう。今回の場合、そういう意味ではどうだったのかと疑問だが、あまり深く考えないようにしたいと思う。



 

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