親方が次の発破準備をしている間、川俣社長からお話を聞いた。
今ここで採れている石は、いつまで採石可能なのか? 「うーん、そうですね。そればっかりは分らないんです」
石が出なくなったらどうするのか? 「また別の場所を探しますよ。石掘りはロマンですから」
社長は親方の仕事を見守りながらそう言った。
その間に親方は手際よく2度目の発破準備を終えた。1回目よりも準備時間は短いようだった。
して、僕たちは再び先ほどの布陣につく。
「よーし、いくぞー」 「あ、は、はい!」
ドーンッ!
2回の発破によって10トンの石は完全に崩れた。 ブレーカーと呼ばれる重機で石を更に割り、運搬出来る大きさに整える。
こうして、今日の採石作業は成功に終わった。