黒船に乗って熱川へ

げんなり寿司のあるJR伊豆稲取から駅を二つ上るとへらへら餅のあるJR伊豆熱川。在来線の伊豆急線で行く。

待っていると、お出ましになったのは「黒船電車」というイベント感満載の車両だった。伊豆急線の下り終点は下田。米ペリー艦隊による下田開港から150周年ということで9月末まで走ってるんだそうだ。

船の電車

熱川は駅から海に向けて大きなホテルや旅館が街中ぎっしり建っていた。そこかしこから湯けむりがもくもく出ていて、いかにも温泉街という感じ。

もくもくもくもく

「すみません、へらへら餅が食べられるお店を探してるんですが」
「ああ、へらへら餅。バナナワニ園の脇の道をまーっすぐ山方面に20分ぐらい行った山桃茶屋さんにありますよ」

バナナワニの脇を抜けてへらへらへ。現実なのか、これは。

この道をゆく

かなり細い道に入り、この道で大丈夫かと疑い始めた頃、目的の山桃茶屋さんに到着した。

「外国人も訪れてきて、ワンダフルとかグーとかいって喜んどります（パンフレットより）」というだけあって、がっしりした日本家屋は築250年だそう。

重厚なたたずまい

お客さんは私だけ。広いお座敷は掃除中で上がれず、こぢんまりしたテーブルに案内された。

「あの、へらへら餅ください」
「はい、へらへら餅ね。あらー、歩いてきたの、ちょっと待ってね、今扇風機回してあげるからね、飲み物はどうする？　みかんジュースどうですか？　手作りだから」

汗でおでこに髪の毛びっとりの私を見て店の方が大急ぎでジュースを出してくれた。シロップ漬けを薄めた、まさに自家製な感じのジュース。夏休みに友達の家に遊びに来たみたいになっている。

みかんジュース、甘い美味い