どちらの似顔絵にも共通しているのは、「Kさんは幸が薄そう」という点だろうか。そんな印象はなかったはずなのに、何故かこうなった。
そしていよいよ、この2枚をパネルに貼りKさんに会いに行く。
「Kさん、怒らないかな?」 「大丈夫だと思いますよ。この絵には愛がこもってますから」
絵を作っている間、ずっとKさんの事を考えていたこともあり、僕たちはすっかりKさんのファンになっている。
「似て無かったとしても、怒らないよね?」 「だって、似てる方が奇跡ですし」 「そうだよな、見知らぬ人がここまでやってくれたら、嬉しいよね」 「ええ。きっと嬉しいはずです」
「あっ、あそこに子供用プールが干してある」 「って事は、あそこですね」 「いよいよだな」 「ええ、いよいよです」
2人は生唾を飲み込む。 連日猛暑に見舞われた東京は、今日も暑い。 すっかり汗だくになっていた。