あの人がいない

スナック名において、女子の名前はほとんど空気みたいなもんだった。気になった、というのはその名前だ。スナックの店名で女子の名前と言えば、まず何を思い浮かべるでしょうか。いろいろあると思うのだが、個人的にはやっぱり「あけみ」じゃなかと思う。

が、が、が。いない。あけみがいないのだ。銀座から赤坂まで、すみずみまでとはいかなかったものの、かなりのビルの看板を眺めた。それでもついぞ「スナックあけみ」に遭遇することができなかったのだ。

スナック「あけみ」を探して

そんなわけで、図書館へ。そう、タウンページで「あけみ」の存在を確認することにした。こうなったら何としてでも、私の考えるスナックとしてのスナック、「あけみ」を見つけたい。

ビルのスナックの看板を眺めて歩くのが今回のテーマですが、ここから「スナックあけみ」を探す旅と路線変更することをお許しください。

NTTのホームページではタウンページが閲覧できる図書館が紹介されている。やってくると、ずらっと全国のタウンページが並んでいた。

木曜担当ライター住さんだったらここで迷わず北海道とか沖縄とか、東京在住者として無茶な場所の「スナックあけみ」を探す男気を見せてくれると思うのだが、今日は23区内で手堅く探してみたい。

23区は５冊に分かれていた。片っ端から「スナック」の欄をめくっていく。「スナック」の他に「バー・クラブ」という項目もあったので一応そちらもチェック。

因みに「スナック」は「スナック・バーの略で軽い食事と飲み物を提供する店で、日本では喫茶店形式で夜は酒を出すバー形式となる店が多い」で、「バー」は「カウンターがあり、酒類や食べ物を供する西洋式の酒場のこと」だそうだ。

以上は「日本語大辞典」と「広辞苑」で調べさせていただいた。だてに図書館にいるわけではない。

さて、調べた結果、なんと「あけみ」と名の付くスナックは23区内で、品川区に１軒、大田区に１軒の計２軒しか確認することができなかった。意外、これはあまりにも意外である。「愛」や「さちこ」や「ちゃこ」の方がよっぽど多い。そんなことになっていたとは…。

今回、調査前に当サイトのウェブマスター林さんとスナックについて少し話をしたのだが、そのとき林さんが、よくありますよねと言っていたスナックの名前「いつものところ」も渋谷に１軒のみ。

もしかするとタウンページに掲載されていない「あけみ」や「いつものところ」があるのかもしれないが、それにしてもイメージって適当なんだなあと思う。

ここまで来たからには現場まで行って「あけみ」の存在を確認しないことにはおさまらない。住宅地図という、個人名まで載っている詳しい白地図で調べた住所をチェック。

調査を進めながら気が付いたのだが、タウンページはインターネットでも検索することができる。わざわざ図書館に来なくても良かったのだ。が、広辞苑や住宅地図の活躍でなぐさめられた。やっぱり調べ物は図書館に限る。

住宅地図を見ると、大田区の「あけみ」はちゃんと地図に載っていた。対して品川区の「あけみ」は、地図上に掲載されていなかった。地図に載らないほど小さい店なのか、それともあけみさんに何かあったのか…。とにかく後は行ってみるだけだ！