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特集


ちしきの金曜日
 
大人が本気で作るわりばし鉄砲

●でかさにむやみに高ぶる気持ち


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 手にしてみても、初代機にはなかった確かな手ごたえが感じられる。構造は子供の頃に作ったものと全く一緒なのに、意味なく構えてみたくなる魅力にあふれている。

 でかいってすばらしい。素直にそう思う。


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 実際に構えた視点から見るとこんな感じだ。メカニカルでカクカクとした様子に自然と覚える興奮。なんというか、ガンダムみたいなかっこよさがあるとでも言えばよいだろうか。

 かっこよさを表わす語彙としてガンダムというのは自分でもどうかと思うが、真剣に考えてみて思いついたのがガンダムだった。

 今考え直しても、やっぱりガンダムだ。童心にもどるというのはこういうことを言うのかもしれない。


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「あやしい者に警戒!」 「発射準備、完了しました!」

 もう構えているだけで楽しくなってくる。「あやしい者に警戒!」などと適当なキャプションをつけてしまったが、自分が一番そうだというのは自覚している。人の気配のない静かな午後でよかった。

 一通りのシミュレーションをして訓練を終えたところで、実際に輪ゴム弾を試射してみよう。


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構え! ビヨーン

 おお、今度はちゃんと飛ぶぞ!

 無残な結果に終わった初代機のような頼りなさは全く感じられない。「ブンッ」と気持ちのいい音とともに、7〜8mくらいはしっかりとゴム弾が飛んでいく。

 心地よい満足感。リベンジ達成といってよいだろう。

 このまま街に繰り出してしまいたいくらいにうれしい気持ちだが、やっぱりそれはまずい。これを使ってなにかできそう気がして、実際のところはなにもできないでいるのがもどかしい。

 人を誤った道におとしいれかねない巨大わりばし鉄砲。うろうろしたい衝動をなんとか抑える。




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太陽でさえおれのもの
 

どうしたらいいのかわからない

 こそこそしながら何度も撃ちまくる巨大わりばし鉄砲。そのうち太陽に向かって輪ゴムを飛ばし始めたりして、すっかりおかしなおじさんだ。

 そのうち、外出中だった近所の人が帰ってきた。ちっ、今日のところは撤退だ。

 達成感と裏腹の、人に見せたくても説明しづらいものを作ってしまったやるせない気持ち。家の中で地味に撃っていても、その思いは決して満たされることはない。

 わりばし鉄砲が心に落とす狂気。

 ちょっとした武器っぽいとは言え、いざという時にはまるで役に立ちそうもないところも不毛だ。お部屋のインテリアとしても無理がある。

 活路は見出せないままだが、子供の頃うらやましく思っていた空気銃へのコンプレックスは克服できたと思う。



 

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