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特集


フェティッシュの火曜日
 
ほころびとしての貼り紙

常々気になっていることがある。といっても本当に些少なことで、ここで発表するのもためらわれるほどですが、「貼り紙」のことである。

お知らせなどの普通に貼ってあるものでなく、応急措置的にやむなく貼ったものを鑑賞するのが好きだ。好き、とはまた違うかもしれない。きれいな施設なのにそれを貼らなくてはいけなくなってしまった経緯を想像し、哀愁や諦観といったものがこみ上げてくる気がする。

今回は都内数箇所、おしゃれスポットも含め、そんな無駄にシンパシーを感じさせる貼り紙を集めてみた。さあ、これから4ページ、なるべく脳を研ぎ澄まさずに、遠い目でご覧ください。

乙幡 啓子

序論・このように増殖していく

といっても何のことやら、何言っちゃってんだこのライターはとお思いの方も多かろう。帰らないでください!共有しましょうこの想い。なので順を追って説明すると、こういうことだ。

例えば下の写真。駅名表示・出口案内の看板は、これはもうあって当たり前。であるから、駅建設当初の要件にもちゃんと入っている。看板業者にも発注済だ。


京急天空橋。微妙な駅なのはご容赦ください。

他駅では後付けしがちな指示も・・・
ちゃんと樹脂の看板を発注済。
床にまでも指示を。後付かもしれないが、専用シールを発注だ。
シャッターには直接。

駅というパブリックな施設。上のような看板等での指示はすんなりと私たちの頭に入ってくる。あくまで標準化された、シンプルで破綻のないデザイン。的確な配置。

しかし、理想と現実はえてして食い違うものだ。運営していくにつれ、消費者は当初と想定外の行動をとるように。

仕方がない、おーい、ここ何か貼っといて!


ここはモノレール駅と30mという微妙な距離を隔てていて、少々戸惑う客も多いと思われる。
貼らないと皆ボタンを押してたのだろうか。貼る前は何に見えていたのか。
表示部付きパイロンに、ぐっとくる物件を発見。
出た、「A4普通紙貼り」。べたっと大胆。
出た、「A4普通紙・縦貼り」。これは駅員の改札が閉鎖されたせいだが、自動改札機そのものに貼ってある。低い位置に。
出た、「変色」。ちなみに出口は、写真右にすぐわかる有様でどっかりと口をあけておりました。
ここに至るまでにどれほどのドラマがあったのだろうか。よほど「suica使えないのー?」というクレームがあったのだろう。

今は休日のひっそりとした駅構内だが、この窓口を眺めていると、見える、見えてくるぞ、お客の殺到する様が。

日々絶え間ない問い合わせ。手の空かない駅員。迫る時間。怒る客。飛び交うsuica。
それら喧騒を少しでも緩和しようという、悲鳴にも似た貼り紙に、私は同情するしかない。

さて次は新し目のスポットをめぐり、果たして「にっちもさっちも」な貼り紙は見当たるか、検証だ。


 

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