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特集


フェティッシュの火曜日
 
石臼ゴリゴリ

店主のこだわり

次は王道、コーヒー豆を挽いてみよう。できた粉でコーヒーブレイクだ。何と心豊かな暮らしだ。お金では買えない何か、である。


豆の状態ではしばらくお目にかかってない。
またも格好から入る。ヒッピー風に。

だんだん自分の周囲が香り高くなってきた。

もし自分が喫茶店を開いたら、「当店は石うすで豆を挽いています」と貼り紙を掲げたい。開店の時間に店に入ると、店主がカウンターで石うすを回しているのだ。ゴーリゴーリ。そして語り始めるだろう。「うちの店はね、先を急ぐ方には合わないんでね・・・まあこんな感じですわ(ゴーリゴーリ)」。

めんどくさい店になるかもしれない。


粉も いとしく感じられる。
1杯用のフィルターで淹れると、いとしさも ひとしお。
ちょっと挽きが甘かったかもしれない。色が薄い。湯の入れすぎだろうか。
うん、でもうまい。ダバダ〜(古い)。

こうなると、河原へ持っていっても挽き立てのコーヒーが飲めるって寸法だ。電力から解放されるある種の快感。そのうち「河原カフェ」もやろう。石臼持って行くのがすごく重いけど。

おかゆキツネ

最後に、いっぺんやってみたかったことで締めたい。カップうどん丸ごと挽きである。

以前、歯が痛いときの食事を紹介したとき、最後にカップうどんを砕いて食べたが、そのとき「もっとドロドロにできないか」と思っていたのだ。

この辺、月曜担当ライター高瀬さんの昨日の記事、「ふやけ麺を堪能する」に通じるところがある。自分も、ぐんにゃぐんにゃの麺が大好きだ。


試しに小さいカップでやってみます。
合挽きです。キツネの合挽きです。
ところどころ挽けてない お揚げが。
中華粥?

韓国に「禅食」という食品がある。数十種類の自然素材を乾燥させ粉にし配合したもので、栄養補助、またダイエットの助けとしても優秀ということで日本にも紹介されている。

その禅食をこの粉を見てちょっと思い出したが、いや全然違う。

味は、なんだかマイルドになっていた。お粥のようだ。汁が全部吸われてしまうので、スープの素は全部は入れないほうがいい。

よくTVなどで、田舎暮らししている人が機を織ったり自分で脱穀・精米したりしているのを見るが、自分はそんな暮らしにそれほど憧れている、というわけではなかった。

でも、そういう作業によって得られる 「手ざわり」 に憧れている、ということはあるなあと思った。失った手ざわり。その最たるものが 「石うす」 だったんだとさ、ハァ、とっぺんぱらり。


 

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