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特集


ひらめきの月曜日
 
こんにゃく旅行、秩父へ

食べ物とは思えないルックス、言い表しがたい食感、カロリーほぼゼロという不思議、原料は芋という意外。

コンニャクに興味がある。食品のなかでもずば抜けて地味ながら、大好きだし気になる。

西秩父にコンニャクの味噌おでんが200円で食べ放題という農協の直売店があるそうだ。両神コンニャク専門店、またの名をコンニャク村。

コンニャクを求め秩父へ。山間に霧立ちこむるある日、ひっそりと旅に出ました。(text by 古賀及子

西武秩父駅前はまだ見慣れた景色

御花畑駅改札。「今日は平日です」の札に時刻表の読み間違いが許されない緊迫を感じる

秩父は秩父でも未知の秩父へ

実は私は今回訪れる秩父には元々縁がある。実家が西武秩父線の沿線なのだ。西武秩父線は、西武池袋線を引き継いでざくざく秩父の山奥へわけ入る路線。

ただ実家は秩父まで行かないところなので“秩父に縁がある”といっても、せいぜい西武秩父駅周辺までが守備範囲で、そこから先となると秩父は秩父でも未知の秩父というイメージ。

今回の目的のコンニャク店があるのは秩父地方の西の方、両神村というところ。西武秩父駅から秩父鉄道に乗り換え、その終点からさらにバスに乗って行く。

圧倒的に未知だ。こうなると完璧に旅である。電車もバスも1時間に1本、下手すると2時間に1本という世界。下手によそ者が紛れ込むと火傷するって土地柄だと覚悟せねばならない。何しろ両神村だ。その村名、ほとんど横溝正史じゃないか。何があるか予測できない感あふれる。

交通の乗り継ぎをビビって、とにかく朝早く出てきた。西武秩父駅に到着すると、まずは秩父鉄道に乗り換えるために歩いて5分ほどの御花畑駅へ向かう。

おはなばたけ。すてきな駅名だが何だかちょっとあの世っぽい名前だなと思ってしまった。空は薄曇りである。

平仮名で書くとぐっと三途の川感が増す気がしませんか
秩父鉄道で終点三峰口まで行く。秩父線にはこの駅名大丈夫かという駅も
  
秩父線の終点三峰口で下車。街は霧に包まれていた

ここからはバス。わりと登山客が多いのでほっとしていたが、こちらは両神村行きではないらしい。あれ? と思って振り返ると↓

秩父にはなにかあるという予感

よろめきながらも予定通り両神村へと近づく間、もう少し秩父の話をさせてください。

わらじカツロケット祭りでデイリーポータルZ(主にウェブマスター)も注目してやまない秩父であるが、私も以前から、正確には高校のころから“秩父には何かある”と感じていた。

私は飯能というところにある高校へ通っており、同級生には秩父から来ている山奥組(本当にそう呼ばれていた)と所沢から来ている都会組がいた。

不思議だったは、秩父から来る山奥組の同級生たちが、都会組よりもグッとあか抜けていたということだ。

私が高校生だったのは今から10年前。流行りたてのルーズソックスをいち早く履いてきたのも、パーマやヘアカラーをしていたのも、学祭を仕切るのも、みんな秩父の子たちだった。中にはテクノDJもいた。

今回旅している間も、すれ違う若者たちはみんなスタイリッシュだった。御花畑駅で電車を降りてきた高校生は髪型はバッチリきまっててiPod持ってた。ここは原宿か。

秩父にはどんな情報網があるというのか。秩父の電気屋にはターンテーブル売ってんのか。ミステリーゾーン、秩父、なのである。

私が乗るのはこっち。両神村村営バス。何て良い佇まいなんだ
身が引き締まる時刻表のスカスカ具合。1本逃がせば遭難である(大げさ)


 

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