ポイ、はじめました
「どうぞ」
ついにポイを渡されてしまった。
「まずは基本の形からはじめましょうか。」
よっしゃ、始めましょう。
「こうです。」金城さんのポイはぶんぶんきれいに回る。「こうっすか。」だけど僕のはへにゃへにゃとしか回らない。しかも頭上で2個のボールがぶつかると頭に向かって落ちてくるのだ。それが天誅っぽくてすごくいたい。これ、すげえ硬いけどいったい何でできてるんだよ。
「テニスボールに小豆をつめたんですよ。自作だから。本物はもっと柔らかくて当たっても痛くないんですけどね。」
本物でやろうぜ。
回しているとどうしても怖くて腰が引けてしまう。だけど怖がると逆に玉が襲ってくるのだ。堂々と、しかも少々やみくもに回すくらいがちょうどいいのかもしれない。
何度も頭とすねと股間に小豆の塊が直撃した。うずくまる僕を金城さんがなぐさめてくれる。
「あんどうさん、筋がいいですよ。もうほとんどできてますから。」
カイトやらせろ。
だいぶ慣れてきました
練習すること小一時間。おかげでポイの基本的な動きをマスターすることが出来てきてきた。これ、はまると面白いよ。だけど油断するとラインが絡まって小豆の塊がすねに当たるから気をつけろ。