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特集


フェティッシュの火曜日
 
何を見ても泣ける

映画のポスターではどうか

最近はそれほどでもないかもしれないが、泣きたい観客をひきつけようと 「○○氏も泣いた!」 とか 「映画館を出ても涙が止まりませんでした・・・」 など、映画のキャッチコピーが宣伝で飛び交っていただろう。

実際にそのような告知をしている映画に足を運んだことはないのだが、それでは足を運ばずに、外に貼ってあるポスターだけで泣けるものかどうか、やってみることにした。

ここはやはり、「のび太の恐竜」だろう。


このポスターのドラえもんがすごくいいよね。

(心の声・・・ルルルルル・・・

小さい頃初めて見に行った映画だ(その前に東映まんがまつりがあったかな)。子供ながらに、最後のシーンでは隣の母親の手前、必死に泣くまいとしていたなあ(あらすじはあまり覚えてないけど)・・・ルルルルル)


ドラちゃんと同じポーズで。
・・・どうしてもドラちゃんに目が行ってしまう。

結果、ドラちゃんの見つめ過ぎで、目の渇きを潤すための涙が出た。

あのころには戻れないんだ・・・

 

河原にて

寂しい風景というのも、思いがけない涙が出そうな道具立てである。曇り空の下、いつもの河原に向かった。


夕刻、ほとんど誰もいないし。
風は強いし。

こうやって空が見渡せるところに来ると、故郷の群馬を思い出す。いや、私の思い出す場所は、例えば 「智恵子抄」 で智恵子が思いを馳せるような大きな空というわけでなく、高校からの帰り道、自転車で橋の上から遠くに見える街並みを眺めていたときのような空だ。

(心の声・・・ルルルルル・・・

あのころも、遠くの空を見ては 「誰かがこの空のどこかで待ってる気がする」 とか漠然と考えてたなあ。対象になるような人はいなかったけど、なぜか空を見ると焦燥感とか、寂寥感が襲ってきたっけなあ・・・ちあきなおみさん、また歌って・・・ルルルルル)


年をとると涙もろくなるものですな。

道路からけなげに芽を出す雑草。泣けますぞ。

なんだか無理して搾り出したような気もする今回の涙。こんなに薄汚れた涙もあるまい。いや、やはり年をとったのだ。涙もろくなっているに違いない。

でも、この取材をする前に日常で流れた涙は本物だった。思いもかけないときにふっと琴線に触れられると、頭とは裏腹に「涙がほろり」の舟歌スイッチがオンになってしまうということですな。

年はとりたくないものじゃのう。


 

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