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フェティッシュの火曜日
 
展示会で覗いた隣の業界

出張報告です


実家の近所に灯油ポンプの部品を作っている工場があった。

灯油ポンプ本体ではなく、一部分だけ。あの工場で働くひとは日々、灯油ポンプを改良したり、コストダウンにつとめたりしていたのだろう。まさしく社会は分業制である。かいま見る知らない世界に興奮する。

そんな知らない世界のイノベーションを目の当たりにできるのが展示会である。ここ2ヶ月ほど、暇を見ては展示会に行っていた。そこでみつけたアナザーワールドをご紹介したい。(林 雄司



畳の縁です
精巧に文字が織られています

はじめて畳の縁(へり)について考えた

3月に開催されていた「街づくり・流通ルネサンス」はハートをわしづかみにされる展示がたくさんあった。まずはこれだ。畳の縁。

展示していたのは畳の縁の専業メーカー 高田織物。カタログにあるもののほかにオリジナルの柄も作ってくれるそうだ。イラストやお店の名前が入った畳の縁が展示されていた。

これまで生きてきて、畳の縁について考えたことがなかったが、専業メーカーがあり、そしてここにこんな創意工夫があったのだ。「かに道楽」という文字や、読み方がわかんない魚へんの文字が並んでいる。畳の縁に。

豹柄やゼブラ柄もある。迷彩柄もあった。

迷彩って言っても畳そのものは迷彩ではないのでカモフラージュできるのは畳の縁だけだ。ジャングルにおけば縁だけが見えなくなるかもしれないが、よく考えたらそもそも畳をカモフラージュする必要はないかもしれない。

「多様化する消費者ニーズ」なんて凡庸な言葉で片付けるにはもったいないバリエーションだ。いつか工場見学に行きたい。

アニマルプリントもあります
これからは畳の縁を気にして生きていこう

取っ手が主役です
勝手に飲めなくするキャップ

すべてものものに事情がある

次にぐっときたのはこれだ。取っ手。

いろんな形の取っ手がある。木製や金属、ガラスのものもあった。家や会社で手にする取っ手はこんなにたくさんあるもののなかから選ばれたものだったのか。

取っ手ひとつにそんな過程があったのだと思うとクラクラする。世のなか知らないことばかりである。知らないことを知っていますというしかないな、取っ手を目の前にしてあきらめの境地だ。

そして次に見たのはボトルの上に乗る奇妙なキャップだった。聞いてみると、

「展示品を勝手に飲んじゃう人がいるので…」

つまり、お店で展示してあるものを勝手に飲まれなくするための器具だ。お店においてある酒を勝手にあけて飲んじゃう人がいることも知らなかったし、それを防ぐために工夫している人がいて、商品化されていることも知らなかった。

店内で飲まれると万引き防止のタグをつけていても意味がないのでこういう器具が必要なのだそうだ。

なんというか、もう「すいません」としかいいようがない話である。

 

 
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