まずはタンパク質で下処理
どうにか絞りを終えた布を持って染色をする場所に移動。布を染料で染める前に、まずは下処理として、タンパク質の薬剤をぬるま湯に溶かしてジャブジャブと布を洗う。
これは布がよく染まるためのおまじないで、昔は大豆を煮た汁、呉汁を使っていたそうだ。
この「ザブザブ洗う」という作業にもコツがあり、布を素早く大きく動かして、たくさんの水を布に通すのがうまく染めるポイントなのだ。この作業をチンタラやっていると、染めムラの原因になってしまう。
ジャブジャブじゃなくて、ザブザブだ。
草木の染料で染める
下処理が終わったら、今度は染料で布を染める作業。今回の染料は栗、桜、桃の木を煮込んだ汁で、木の種類によって染まる色が違う。
タライにお湯と染料を入れ、染めムラができないように素早くザブザブと布を洗って染めていくのだが、水を吸った布はとにかく重い。
ザブザブやっているだけで腕や腰がもの凄い疲れる。普段使わない筋肉がヒーヒーいっている。
昔の人はこうやって洗濯とかしていたのだろうか。洗濯機のある時代に生まれて本当によかったなと思った。
唐突に雷雨
気持ちよくザブザブと布を染めていたら、急に風が吹き出して、雷がゴロゴロとなり、すぐに雨がザーザーと降ってきた。
思えばこれが悲劇の始まりだった。
雨に負けず、媒染をする
雨が降ってきたからといってここで染色をやめるわけにもいかないので、みんなで屋根のあるスペースに集まって作業を続ける。
布を染めた後は「媒染」という、色を布に定着させる作業を薬品を使っておこなう。作業自体はやっぱりザブザブやるだけだ。
この媒染の薬品は2種類あって、同じ栗による染色でも、一方はグレー、一方は明るい茶色となる。この媒染が別の色で媒染している人に跳ねたりすると染みになるので、本来はなるべく離れてやる必要があるのだが、今日は雨のために狭い空間でやっている。
媒染が終わったら流水でザブザブと洗って、ようやく染色の工程が終了。
果たしてうまく染まったのだろうか。