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フェティッシュの火曜日
 
体育会系クロスステッチ作家と一緒に刺しゅう制作

刺しゅう持ち込んで烈火のごとく怒られる

なおも2人、雑談めいたインタビューをしつつ、沈黙をはさみつつ、ちくちくとステッチを進めていく―。

―ステッチが、趣味から仕事になった。

大図「大学を卒業した後、酒屋さんで働きながら創作をしていたあるとき、手芸のイベントに出る機会があって。そのはじめてのイベントで、すごく売れたんです。男で手芸やってる人は少ないし。で、これはいける!と(笑) その後、某手芸用品屋さんに入社しまして。

―私もよくお世話になってる、新宿のあのお店。そこを辞めて独立って、思い切りましたよね。

「そこには3年ほど勤めていたんですが、もっと制作の時間が欲しくなり辞めました。そのあとは作品の持ち込みの毎日で。でっかいリュック背負って、雑貨屋さんとかに飛び込みで営業。今考えるとすごいですよね、わけわかんない男が、昆虫の刺しゅう持って・・・ある昆虫標本屋さんにも持っていったら、ものすごく怒られました(笑)忙しいときに刺しゅうなんて持ってくるな、ってことでしょうけど。


針、布が相対的にちっちぇー!とどうしても思う。
でも運針は正確かつ速い。

―わははは、すっごく怒られたんですか。厳しい。それにしても、飛び込みで持ち込み。度胸がすごいですね。

大図「1日10件くらい回って、それを1ヶ月くらいやって・・・。でもまあ、売れませんでしたね。
あるとき、ちっちゃい雑貨屋さんにでっかいリュック背負って営業しに入っていったら、そこにたまたまオンラインゲームの会社の人が来てて、作品に目を留めてくれて・・・ゲーム用のグッズ制作を頼まれました。それを雑貨屋さんが置いてくれたんです。
そのほか、会社勤めしてるときから僕のHPで作品を見てくれてた編集者さんに誘われて本を出したり、イベントに出展したりワークショップを開いたりしています。


ふいー、ここまで来るのに30分以上かかってるよ。
・・・。

・・・。

 

世間の人が会社勤めしている時間に、私たちは・・・

すいません、つい無言になってしまいます。こんな状態の絵が続いてると思ってください。


・・・。

・・・。

・・・。

―私はこういう単純な制作作業が苦にならないんですけど、大図さんは?

大図「僕は飽きっぽい性格なんだけど、クロスステッチは続いてるから、向いてるんですかね。

―作業中は何か音楽とかTVとか流したりします?(ちなみに私は、見ても見なくてもいいような午後のサスペンスドラマの再放送とかを流しながらやると、はかどります。)

大図「ポッドキャスト聞いてますね。「大竹まことのゴールデンラジオ」って知ってます?あれいつも聞いています。あと「エレ片」とか。作業中はほとんど1人なので何か音が欲しいんですよ。寂しがり屋なのかもしれません。

と、そうこうするうちに完成に近づいてきた。制作すること3時間!仕上げに入ります。


 

 
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