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ちしきの金曜日
 
東京の味とは?〜3分インタビュー〜

記憶に残る味、記憶にひっかかる味

そして最後にお話をうかがったのは福島県出身のえぢゅるさん、上京歴4年の36歳。これまで聞いた人と違うのは、夫の転勤で上京してきたこと。他の「一人暮らし時代に知った味」とはちょっと違う。


「結婚してこの子(次男が取材に同行していた)がお腹の中にいる状態で上京してきたから、あんまり行きつけの店ってのが無くって」

−−家族と一緒が前提だと、店選びの基準はぜんぜん違いますよね。

「だから子供が学校に行くようになってママ友たちとお店行ったりして。それでここもR25に載ってて近いから行ってみようか、と」

−−ミーハー気味に行ってみたと。

「それで来てみたら、私が昔アルバイトしてた店の雰囲気と似てるのよね、福島の。あとウチの父親が行きつけにしてた食堂にも似てるのよー。入ってすぐカウンターがあって、酒瓶が並んでて(笑)。よく自転車で向かえにいってたのよ、『帰るよー!』って」

−−『じゃりん子チエ』みたいな世界だなあ。

「父親がお酒好きでねー。家族で食事に出かける時、子供だったらアイスとかある店に行きたいじゃない?今だったらファミレスとか。許されなかったのよね、おっさんの集まる所ばかり連れていかれて。かわいそうな子だったのよ(笑)」

−−でも気づけば自分の記憶に残って似た店に通ってしまってると(笑)

「そうなのよね‥。そのうち一人で来るようになって、店の常連さんとかも仲良くなって」

−−ダンナさんとは来ないの?

「ここは自分の場所?ていうか息つまるじゃん(笑)」


子供ドタバタ。でも飲めるいい店です。
おすすめは豚バラともつ煮だそうです。

3時から空いてるのが飲み助にはたまらん。

ハッピー屋台

東京都板橋区大山町32-2

と、以上7人に聞いてみた「東京の味」。面白いのは、ただ「単純に美味しいもの」が出てこなかったことだ。鰻とか寿司とか、そういう「東京の味」と言われるが高級系は出てこなかった。皆一度くらいは食べたことあるだろうし、それなりには美味かったろう。でも東京を去った時に「アレをもう一度‥」というと違う。

男性陣のような「仕事中や学生時代にかっ喰らった定食屋」、アカリさんやMareaさんのような「前から食べたいと思ってた品がある店」、えぢゅるさんのような「地元の店に似てる店」。どれも「東京にまつわるイメージや記憶」というものに関わってる気がする。

行く前の憧れだったり、東京という街のイメージだったり。皆、味だけでなく風景込み。「東京に居る自分」という客観的な視点で「東京の味」を覚えているよう。「美味い!」という記録には残らなくても、記憶に残る味。それが各人それぞれの「東京の味」なのだろう。

あ、でもカレー・とんかつ・ナポリタンと割合的に「味の濃いもの」が多かったのは何か意味があるのかもね。脳・記憶力と濃い味の関係性とか。

濃い味+定食屋風、と定義バッチリ。

男の傾向は特にわかりやすい

ちなみに上京10年目36歳の大坪さんの「東京の味」は神保町「まんてん」のカツカレー。仕事先近くでよく行ったのよね。(東京都千代田区神田神保町1-54)

ちなみに各店のメニューへの感想はあくまで個人の意見ですので、全ての人に当てはまるとは限らないことをご了承ください。


 
 
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