見つめると見えてくる
こんなに大きなパラボラを、こんなにじっくり見るのは初めてだ。 ここに来る前は、もしかしたらすぐに見飽きてしまうのではないだろうかと思っていたが、全くそんなことはなかった。 むしろ、見れば見るほど不思議が生まれてくる。 見ているうちに、いくつかの不思議が解決した。 もしかしたらとは思っていたが、やはり先ほどのコンクリートの塊は、パラボラを固定する台座だった。 このパラボラ自体が、台車に乗せて動かせる仕組みになっているのだ。
見学者向けの解説パネルによると、このパラボラは「野辺山ミリ波干渉計」というもので、口径10mのアンテナ6台を組み合わせて観測する電波望遠鏡とのことだ。 よくわからないけどすごいことなのだろう。 理論の説明よりも、目で見たすごさのほうが上回っているので、解説が理解できなくても全然かまわない気がしてしまう。
実際に使われているのだ
当然のことなのだけれど、このパラボラは宇宙の観測に使用されているものだ。 映画のセットではない。 設置後時間がたっているので、あちこちに経年変化というか、要するに汚れや傷みがある。 それが逆にリアルだ。 いや、リアルなのだからおかしな話だが、とてもリアルにできているセットのようだ。
ため息が出る
このパラボラの性能がどうとか、宇宙観測にどう役立っているかとか、そういうことは置いておいて、純粋にかっこいい。 見ていると、本当にため息が出てしまう。 きっと野辺山の自然とのギャップが非現実的に感じるせいだろう。