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はっけんの水曜日
 
長く走ると記憶がなくなる〜東京コネタマラソン実走編
スタート時のだんご状態がようやくほどけてくると周囲の状況が見えてくる。交通規制が完璧になされているので町に人気(ひとけ)はないのだが、対照的に沿道は応援のみなさんでぎゅうぎゅう大騒ぎだ。
人気のない町に応援だけがこだまする。  

東京マラソンコネタ5 「コースに出てもトイレは混む」

不幸にもスタート前にトイレに行きそびれた人はスタート後にコースに設置された仮設トイレを探すことになる。これは数キロおきに設置されているので安心してもらいたいのだが、ここでもやはり列が出来ているので「見つけたら即使用」とはいかない。並ぶだけのタイムロスを許せるかどうか、ペース配分と膀胱とに相談してもらいたい。僕は涙を飲んで、並んだ。

しばらく走ると。  
トイレがあるのだが。 これがまたどこも混んでいるのだ。

沿道からの声援は特に仮装している人の近くで走っているとすごい浴びる。

「ピエロー」とか「やじるしー」とか、自分への応援でないことはわかっているのだが、大きな声を聞くとぼーっとしていた意識がはっとして冴える。やはりあの矢印の人は最後まで目立っていた。

あの矢印の人はずっと目立っていました。  
仮装してる人には負けたくない、と思うのだけれどみんな結構速いのだ。

これは何を表しているのだろうか。標識?
 

東京マラソンコネタ6 「給食所には気をつけろ」

コース上には給水所の他に給食所が用意されていたりするが、走りながら食べることを意識していただく物を選ぶ必要がある。僕は一度もうろうとしながら人形焼きを選んだのだが、おいしかったが水分が足りずに苦戦した。

バナナはむいておいてくれるのでうれしい。  

でもこの状態で渡されるのでちょっとあせる。

鬼門、人形焼。うまいけどぱさつくので余裕のある人向け。

オフィシャルでない沿道からの支援(善意による給水や給食)は正直以前参加した沖縄でのマラソンの方が圧倒的にすごかった。どれをもらおうか走りながら目移りしていたくらいだ。

それに比べ東京マラソンでは沿道の警備がしっかりしているためか、食べ物や飲み物を差し出してくれている人が少なかった。左の写真は珍しく見つけた!と思い喜んで善意の「おにぎり」をもらってたいへんなことになっている人、の例。

おにぎりは一気にほおばると息ができなくなるぞ。  

東京マラソンコネタ7 「途中の記憶がない」

ここから一気に話が30キロすぎまで飛ぶ。なぜなら中間のことは辛すぎて覚えていないから。人間、あまりに辛いと防衛手段としてか、記憶から削除してしまうように出来ているのかも知れない。冗談ではなく本当に覚えていないし写真も残っていない。


おお39キロってことはあとちょっとだー。 と思うと「24」とか出てきて混乱する。

東京マラソンコネタ8 「沿道の数字が全て距離だと思うな」

30キロくらいを過ぎて精神的にまいってくると、沿道にあるあらゆる数字に目を奪われるようになる。距離を示した表示が現れるのを心待ちにしすぎているせいか、24時間営業のスーパーを見て「なんとまだ24キロか!」とか惑わされた。

「医師」のゼッケンを付けた人にはついていきたくなりますね。  

東京マラソンコネタ9 「ランナーズハイを期待するな」

よく長距離走っていると疲れを感じなくなってくる瞬間がある、って言うだろう。ランナーズハイというやつだ。多くのランナーはこの瞬間を心待ちにして辛さに耐え、距離を稼いでいるのだ。

これは経験と練習が足りない僕の個人的な感想ですが、あれ、うそだぜ。

自信をもって言えるが、長く走れば走るほど体は辛くなる。最初に貯金しておいて、途中からペースを落とす作戦ならばまだしも、同じペースで走り続けている限り楽になるわけがないと思わないか。どんどん楽になる、なんて言う人はもうずっと走り続けていたらいいのだ。


 

 


 
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