飛距離、約3メートル。
うん、優勝するために必要な距離がよくわからないが、やはりホタルイカの目玉はそんなに遠くまでとぶようにはできていない。
逆にいえば、きっとどうせみんなもそんなにとばせないのだから、タイミングさえあえば私にも優勝が狙えるということだ。周りを見渡しても練習をしているのは私だけ。明らかに他の二種目よりは期待ができそうである。
世界記録は10メートル50センチだった
ホタルイカ目玉とばしコンテストの時間が近づくと、ステージ前に長い長い人工芝がレッドカーペットのように敷かれた。
どうやらこれが目玉とばしのフェアウェイのようだが、ちょっと長すぎやしないだろうか。5メートルもあれば十分ではないかと思ったのだが、そこに張られたテープの文字に愕然とした。
白いテープは10メートルライン、そして黄色いテープは世界記録の10メートル50センチを記していたのだ。これはもう目黒の寄生虫博物館でサナダムシの標本を見たとき以来の驚きである。あれは長かった。 |