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フェティッシュの火曜日
 
滑川ホタルイカ祭りで目玉をとばしてきた

まずは小学生の部がスタート

まさに祭りの目玉であるこのコンテストの参加者は、小学生20人と大人20人。先に小学生の部が行われたのだが、さすがは地元富山っこ(じゃないかもしれないけど)。私が海で練習した時のベストを超える記録を連発してきた。

もちろん失敗して目玉を足もとに落としちゃう子供もいるけれど、これからやる大人に恥をかかさないためにも、それくらいがちょうどいいと思うよ。


両腕の角度が素晴らしい。 軽々と私のベストを越えていく小学生。

小学生の部をやっている間も、エアホタルイカでぎりぎりまで練習だ。

 

目玉をとばす時がきた

とうとう運命の時、大人の部がスタートした。私の順番は一番初め。ステージ横で競技用のホタルイカを一匹受け取り、さっき練習したように一つの目玉だけを残して食べ、勝負の舞台へと上がる。

うん、やはり富山のホタルイカはうまい。


運命のカギを握るホタルイカ。このイカの良し悪しが勝敗を左右するのだ。たぶん。 ステージ上でインタビューをされるのだが、口の中に目玉が一つ入っているのでしゃべりづらい。

ステージに上がって客席を見下ろすと、多くのお客さんからの視線を感じる。もちろん私個人をみているのではなく、イベント参加者の一人として見ているだけなのはわかるのだが、普段は舞台に上がる経験というのがまずない人生なので、もうやる前から緊張しまくり。

上からみる人工芝はけっこう細い。とばせる目玉は一つだけ。さっき練習した砲丸投げ風のとばし方だと、ファールになって失格しそうな気がしたので、普通に構えてとばすことにした。弱気である。


あの立山連峰にホタルイカの目玉を届けてやるぜ。

 

予想外の展開になってしまった

ここから先は、しばらく写真とキャプションだけでお楽しみください。


「せーの!」の合図に合わせて、プーッと目玉をとばした。タイミング、角度共によし!

飛距離は伸びた。さあ、記録は…と思ったら、なんと目玉が見つからない!

この一大事に私もステージから降りてきて一緒に探す。

審判団だけでなく観客達も集まって、みんなで目玉を探しだした。会場に今までになかった一体感が生まれている。

「あ、あった!」と指さす小学生。

「いや、これは小石ですね」と確認する審判。

「じゃあ、もう一回で!」と探すのをあきらめた審判。

動画でどうぞ。途中でH君の笑い声が入っています。ちくしょう。

私がとばしたホタルイカの目玉は結局みつからず、前代未聞の再試技となった。やっぱりとばすものが小さすぎるよね。

これで実はまだ僕の口の中に目玉があったら富山県出入り禁止となったところだが、とばしたのは確かなのだ。おそらくは人工芝の中に深く入ってしまったのだろう。

あー、恥ずかしいったらありゃしない。

 

注目が集まる中での再チャレンジ

急遽もう一匹ホタルイカを食べて二回目の試技へ。

審判団の鋭いまなざしに、もう二度とロストしまいというプライドが見受けられる。目玉がどこにとんだのかなんてそれほど興味のなかった観客達も、ちびっこたちを中心に、次は自分がみつけてやるぞと意気込んでいる。

記録云々よりも目玉を見つけることに関心が集まっているという変な空気の中、早くこの場から去りたいという思いを込めて、なるべく見つかりやすいようにまっすぐと目玉をとばす。飛距離よりも方向優先。「置きに行った」というやつだ。


願いは一つ、今度こそはちゃんと見つけてくれ。

それが逆に功を奏したのか、思いのほかうまくとばすことができた。これは明らかに自己ベスト。

勢いよくとんでいったホタルイカの目玉をめがけて集まる人の群れ。なんだこの光景は。

一番に見つけた子供がうれしそうに「あったー!」と声を上げる。まるで宝物を見つけたかのように。しかしその指先にはホタルイカの目玉が一つ。


私の唾液が付いているから、よい子は触っちゃだめですよ。

舞台上から餅とか豆とか、投げたものを取り合うお祭りって各地であるよなあと、ひとごとのように思った。

私の記録は5メートル96センチ。小学生よりは口の位置が高いので、その分よくとんだようだ。現在、大人の部の暫定一位(トップバッターだから)。


ポケットをいじっているのは、かゆいのではなくてステージ上から写真を撮ろうか迷っているせいです。

 

そして新しい伝統が生まれた

この事件をきっかけに、ホタルイカの目玉とばしコンテストでは「観客もとんできた目玉を探す」という新しい伝統が生まれた。

私の次以降にやった人は、多くの人達が目玉をなくすまいと熱心に見守る中で試技をすることとなったのだ。これぞ観客を巻き込んだ地域密着参加型イベント。

私が出した暫定一位の記録は、残念ながらすぐに上書きされて消えていったけれど、この新しい伝統はきっと来年も続いていくことだろう。


参加者がプーッと目玉をとばすと、 子供たちがワーッと集まって目玉を探すという新しい伝統。

結果は20人中5位でした。

来年こそは優勝だ

今回はじめてホタルイカの目玉とばしコンテストに出場したのだが、体調や体力の割にはまずまずの結果を残せたので、どうやら自分に向いている競技のようだ。調子に乗って来年までにフォームなどを研究して、新記録での優勝を目指そうと思う。

なのでこの記事を読んで出場したいと思った腕に覚えのある人は、来年もし会場で私を見かけたら、ぜひ出場辞退をしていただければ幸いである。というのはもちろん冗談である。

ホタルイカすくいコンテスト参加者。これぞちびっこ。

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